自主制作の準備が始まり、昨日から先生と面談をして自分の製作テーマと製作物を決めていく作業が始まっています。
ここは木工作家やデザイナーを養成する場所でなく、つまり「作品」でなく「製品」を作ることを学ぶ場所なので、「何を作りたいか」でなく、「何を作るためにどんな技術を学ぶか」をテーマにしてほしいと、先生から冒頭に指示がありました。
とは言っても、生徒が23名もいると、興味は人それぞれ、
和家具を作りたい人、その中でも階段箪笥を作りたい人、
小さな椅子を作りたい人、ベンチを作りたい人、
Yくんは、前面がカーブを描いた珍しい箪笥を作りたいと話したところ、
先生に「オブジェか、これは!」というツッコミを受けながらも、
どうにかOKが出そうな気配など、
いろいろなものができそうで楽しみです。
私のテーマは、
将来の独立を見据えて、
「最も売れるものと最も売れないものを作る」
です。
先生から提示された目標製作数は4つ。
その中で、最も売れるものと最も売れないものをいくつか作っていくということです。
「最も売れるもの」
とは、家具の中でも定番で、売れやすい家具です。
これは独立して職人として飯を食っていくためには、まず市場で安定した人気のある商品が作れなくては、やっていけないと思うからです。
デザインとかうんぬんの前に、必要性のある家具ということです。
一方で、「売れない家具」とは、
正確に言うと、あまり売れてないジャンルの家具ということです。
これは、よく売れる家具ばかり作っていても独自性は発揮できないので、
独立する以上、自社の独自性をどこかに見出さねばなりません。
それは今人気のないジャンル、あまり作っている人がいない分野にヒントがあるのではと思っています。
そういうわけで、
まず一つ目の製作物は、家具の定番の「箪笥」。
これは先生から箱物をひとつは作ってほしいという指示もあったためです。
しかし近年は箪笥は各家庭にいきわたり、もしくは収納も多い最近の新築も多いので、大きめの箪笥というよりは小さめの上に物が飾れるようなものにしたいと思います。
そして二つ目の製作物は、
「三面鏡、ドレッサー」
昔の家には三面鏡があったかもしれませんが、今はだんだんと減り便利になった洗面台ですましている人も多いのではないでしょうか?
(統計資料探したいですが・・・)
いずれにしても必需品の家具というものでない三面鏡を2番目にしました。
またこれには、椅子またはスツールもあわせて作る必要があるので、ちょうど椅子製作の経験も積むことができそうです。
それ以降は時間があったらの話なのであまり考えていません。
ちょうど伊那の訓練校が今年で終わりなので、木材の在庫を余らせないためにも、またなかなか大物の家具というのは作るチャンスがないと思っているので、とにかく大きな家具を作るなんてことにチャレンジしてもいいかなと思っています。
そんな感じで先生との面談は終わりかけたのですが、
最後に。
「で、お前は来年の4月からどうするんだ?」
「一旦は修行で就職を考えています」
と答えると、
「求人倍率厳しいからな、しっかり考えろ。
そうしねえと、浮浪者になるぞ」
というお言葉を頂きました。
そうです。気がつけばあと半年。
それまでに進路も決定しなければいけません。
自主制作と同時にそちらも気合をいれていきたいと思います。
後半戦は予想以上に忙しくなりそうです。
→「田中語録への思い」はこちらをご参照。