=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

「法隆寺」 奈良紀行 ~古の木と技を訪ねて~

2009年09月12日 | 【お出かけ】木のむくまま
2009年12月27日

「長く使える家具を作ろう」
なんて考えるなら、一番長く使われている木を見なければということで、世界最古の木造建築という法隆寺も訪ねました。
木でできた一番古いものといえば、世界に他にもさまざまな道具があるでしょうが、「使われている」という意味では、そのような木の道具はおそらく博物館で温度管理され手も触れられずに大事に丁重に保存されているでしょうから、該当しません。
一方法隆寺は現在も建物として機能し雨露をしのいでくれているわけですから「使われている」わけです。

しかし、法隆寺もそのすべてが当時のままというわけではありません。

回廊の柱を見ると、当時のままの柱と修理で新しくなった柱があります。

◆当時のままと言われる柱



◆近づいてみると。1400年以上の風雪をしのいだ跡がうかがえます。



◆取り替えられた柱




法隆寺が建立から1400年以上も経た現在でも、

こうして我々の目の前にその姿をとどめていてくれている陰には、斑鳩大工といわれる、先祖代々長きにわたって法隆寺を見守ってきた宮大工の方々のご苦労があったそうです。
その最後の宮大工と言われたのが、薬師寺のページでもご紹介した西岡常一さんです。

木を長く使うためには、作り手、使い手、そして直し手(作り手かもしれませんが)の力も必要なんですね。
そんなことを感じました。

◆補修された柱








◆なんだか気に入った響き、世界最古の木造建築のお寺にあった「日本最古の食堂」



◆聖徳太子が書いたお経の中から抜粋された漢字
太子と同じ漢字を我々も書いていると思うと不思議な気持ちです。



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「薬師寺」 奈良紀行 ~古の木と技を訪ねて~

2009年09月12日 | 【お出かけ】木のむくまま
2008年12月27日

(写真は薬師寺白鳳伽藍の再建に台湾から寄進された樹齢2500年の材木)


左右対称の美

中央に金堂を配置し、その手前東西に塔を配置し、周囲を回廊で囲う伽藍配置を「薬師寺式伽藍」と呼んでいるとおり、薬師寺で初めて採用されたスタイルらしい。

そんな左右対称の美の中で、
東塔よりも西塔のほうが高いように見える?

これは有名なお話なのでご存知の方も多いと思いますが、事実、西塔と東塔の高さは違います。
東塔は天平年間に建立されたままの姿を残していますが、西塔は焼失していたものを1981年、最後の宮大工として名高い西岡常一棟梁によって再建され、この西塔が現在東塔よりも高くなっています。
しかし棟梁の計算では、「建物の木の重み等で、西塔は500年後には東塔と同じ高さになる」らしいです。

この話を私は数年前にお付き合い先の不動産会社の社長さんより、
「本当にいい仕事とは、100年、1000年後でもいい仕事なんだ。今がよくても、後から駄目になるような仕事をやってはいけない」
というお話とともにお聞きしました。
折りしも、A歯の耐震偽装問題などがあったり、見た目だけうまく作って長持ちしない家具などを見たりしていたので、すんなり納得でき、また感動しました。

それから西岡常一さんの本も読み大変勉強させていただきました。

今日はそのお話の実地体験でしたね。

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「東大寺」 奈良紀行 ~古の木と技を訪ねて~

2009年09月12日 | 【お出かけ】木のむくまま
まるで修学旅行です。

奈良の有名なお寺を訪ねにきました。

もともとは、木工をやるからには「現存する最も古い木を見てみよう」と、もっともらしいといえばそうですが、あまり関係ないといわれればそんな感じの理由です。

まずは東大寺。

その大きさに驚きますね。
大仏の開眼式には遠くインドからの高僧をはじめアジア各国から賓客を招いて盛大に執り行われたそうです。その壮麗たる情景を想像しようとしても、たぶんすごすぎて想像できません。

平城京の東に位置する東大寺、でも実はアジアの東で最も立派なお寺にするという意図が込められていたのかもしれない、なんて思ってしまいます。


まず南大門で迎えてくれるお二人が、運慶・快慶の金剛力士像。

この大きさも本当にでかいし、そしてその彫刻の精緻さに見入ってしまいます。
「本当に巨人族に出会ったのか、自分がミクロマンになったのか」と錯覚してしまうくらい見事に力士の肉体が彫りあげられています。

◆足です。血管が浮き出ている様など圧巻



◆服のたすきのようなものが風になびいている様もすごい



◆南大門自体も古くて立派な建物です。門に使われている木はこんなに磨り減っていました。



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続いては本堂の裏に周り、これも私が訪れたかった正倉院。
現代のさまざまな工芸、指物や漆器、象嵌や蒔絵などの源はすべて正倉院の宝物の中に見ることができると言われているくらい、当時の技術の粋が凝縮されています。
また私はそれらの宝物を1300年も保ち続けてきた正倉院それ自体、校倉造にも興味があり、家具に活かせたらなと思っています。

そんな大きな期待があったのですが、運悪く工事中で塀の外から見るだけに・・・




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次は二月堂です。
毎年お水取りの行事で有名です。
また東大寺の中では拝観料無料というのもうれしい・・

階段を上がって、



鉄製?青銅製?の灯篭がかけられていました。




来年は、平城京遷都1300年ですね。機会があれば再度訪れてみたいです。


◆いろいろとメディアを騒がしていた「遷都くん」その他。

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