アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

知恵くらべ~安部龍太郎著「冬を待つ城」

2014年11月22日 | 読書三昧
「等伯」で直木賞を受賞した安部氏の最新作、「冬を待つ城」を大変感心しながら読んだ。2013年4月~2014年6月「小説新潮」連載、453頁の大作。



物語~秀吉の朝鮮出兵に際し、寒さに強い人足を大量に徴用すべく、石田三成は、南部の地に15万人の秀吉軍を派遣する。九戸家の4兄弟、政実、実親、康実、政則は、それぞれ一家を為し別々に暮らしていたが、これを迎え撃つべく、九戸城に籠り冬を待つ・・・。

こんなすさまじい物語が実在したとは知らなかった。

岩手県の内陸部北端、青森県との県境に近い二戸市に、今でも「九戸城址」が存在するのを地図上に確認できる。そこがこの物語の舞台だ。

天下人となった秀吉の野望は東北の寒村にまで及び、戦国の世の天下統一の実態とそれに翻弄される人々の生きざまを克明に描いている。

そして、あらゆる知恵を出し合い、且つ、地形や自然を味方にしつつ秀吉の大軍と不屈に戦う人々の心意気に感動した。ご一読をお薦めします(お薦め度:★★)
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柔軟性

2014年11月21日 | ギャラリー
若い女性のための雑誌「LEE」の最近号が憲法問題を取り上げているという。



これは、しんぶん赤旗11月15日号の記事だが、左翼の政党機関紙とは思えない扱い。
芯のしっかりしたものは、ちゃんと柔軟性も備えているということか。

安倍首相の「ちゃぶ台返し」解散もあることだし、いい機会だから「集団的自衛権の行使容認の是非」を含め判断したらどうかと思う。
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健さんのこと

2014年11月21日 | ギャラリー
高倉健さんが逝った。
日本の映画界にあって、彼ほど周囲の人々に愛された俳優はいないという。

小生は当初、彼は任侠映画の人と思っていたので、彼の作品は見ないことに決めていた。

その後、山田洋次監督が撮った「幸福の黄色いハンカチ」を拝見するに及んで、こういう俳優さんもいるのだと認識を新たにした。

この場合も、ムショ帰りの寡黙な普通の男という役どころであり、100%感情移入できる俳優ではなかった。

むしろ、武田鉄矢さんや桃井かおりさんらのキャラクターに新鮮さを感じていた。

その後「鉄道員(ぽっぽや)」や「動乱」などを(TVで)断片的に見る機会はあったがそれ以上のものではなかった。



ただ、彼の人間性や俳優としての実力を知ったのは、日中合作で制作された「単騎、千里を走る」においてであった。この映画は、彼の存在なくして成立しえないと思った。

日本の映画界は惜しい人を、また一人失ったと思う。画像はネットから拝借しました。
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My Favorite Doughnuts!~グリミネッリの「モーツアルト・フルート協奏曲集」

2014年11月20日 | この一枚
冒頭の「フルートとハープのための協奏曲」。
音が出た瞬間に、「これは懐かしい!」との思いが先にきた。



慣れ親しんだモーツアルトだが、久しぶりに聴くと新鮮に聞こえるから不思議だ。

収容されている曲目は、

1. フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
2. フルート協奏曲 第1番 ト長調 K.313
3. フルート協奏曲 第2番 ニ長調 K.314
4. フルートとオーケストラのためのアンダンテ ハ長調 K.315

の4曲。どれも耳慣れする親しみのある曲ばかりだ。

アンドレア・グリミネッリは、「騎士」の称号を持つイタリアのフルート奏者。その国際的な活躍に対して、政府から功労者の勲章も授与されている実力者である。共演は、ロジャー・ノリントン指揮カメラータ・ザルツブルグ。

クラシック音楽だと片意地張らず、BGM的に聴いても楽しめるお薦めのドーナツ。2005年のリリースだが、現在でも、AMAZONなどで入手できる。
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昨日のピカイチ

2014年11月19日 | つぶやき
安倍首相の「無責任・政権延命解散」宣言が出た昨日。
こんな「つぶやき」をみつけた。



政権を担当して2年。
鳴り物入りで登場した「アベノミクス」が挫折した直後に、あと3年したら増税の環境が整うと夢想できるのだからお目出度い。再々度、異次元の金融緩和でもやりますか。



これも現実だ。
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迫力満点の~伊東潤著「巨鯨の海」

2014年11月19日 | 読書三昧
歴史小説家で、数多くの戦国物をリリースしている伊藤氏の近作「巨鯨の海」を読んだ。12年1月~13年2月時々の「小説宝石」に掲載された連作短編6編を収めている。



物語~「訣別の時」:三人兄弟の末っ子「大蔵」は、鯨の匂いを嗅ぐだけで嘔吐するような体質で、末が危ぶまれていた。しかし、次の漁で長男の吉蔵が脊髄を損傷して寝たきりとなり、また、次兄の才蔵も、吉蔵の救援をめぐって親方と争ったため組から追放されてしまう・・・。

江戸から明治初期まで、大地(和歌山県)で鯨漁にかける人々の葛藤をダイナミックに描く。

当時の人力による鯨漁はどのように行われていたのか、また、生死のかかる危険な漁だけに漁師一人一人に求められる資質とは、など興味深々たる物語であった。
ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★)
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だから言ったじゃないの!

2014年11月18日 | ドラミング
消費税増税に伴う景気の低迷で、7-9月期のGDPの速報値が、年率換算で-1.6%となった。これは、小生ら庶民の生活実感に沿うもので納得できる数字だ。

しかも、過去2回の増税時と比べても厳しい結果となった。(図は、朝日デジタルから転載)



これで2期連続のマイナス成長となったわけで、景気後退が本物であることが明確になった。特に、GDPの6割を占める個人消費が、増税の反動減から回復していないのが主な要因だ。

加えて、産業界の活動実態を示す「設備投資」もマイナスとなっている。つまり、事業活動も停滞しているということだ。

この間安倍政権は、「アベノミクス」などという金融政策中心のめくらましで、あたかも景気が良くなるかのような幻想を抱かせて来たがとんでもない話だ。

だから言ったじゃないの! 消費税の増税なんて無理だと。
だから言ったじゃないの! アベノミクスなんて幻想に過ぎないと。
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玄関椎茸その後

2014年11月17日 | 田舎暮らし
雪が来て、発芽はするが成長できない椎茸が可哀想になって、ほだ木を玄関に持ち込んで3週間ほどになる。

これが彼らには幸いしたようで、それぞれスクスクと大きくなり、おいしい椎茸を提供してくれた。



結局、持ち込んだほだ木は10本を越え、立派なものをたくさん頂戴した。

ただ、残るほだ木も少なくなり、そろそろお仕舞いに近づいている。
後は、来春のお楽しみということになる。
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1日2時間まで

2014年11月16日 | アーバンライフ
この夏あたりから視力が落ち、車の運転も危うくなっていた。視力で言うと、たぶん0.4くらいか。



そこで、かかりつけの眼科で診てもらうと、「後発白内障」との診断。

この病気は、白内障の手術を受けた際、眼内レンズを安定的に保持させるために残した水晶体の袋の後部側が次第に濁ってきて、視力低下を引き起こすものだ。

また、白内障手術経験者の半数以上に発症するというから、決してめずらしいものではない。

小生は従来、網膜剥離友の会の世話人をしていて、この病気のことは知っていたが、まさか、自分の身に起こるとは思ってもみなかった。

幸い治療は簡単で、この濁った袋(の皮)にヤグレーザーをチョンチョンと20発くらい打ってもらうと、元通りの視力を回復することができる。この手術の様子は、こちらに詳しいのでご覧下さい。

こんな簡単な治療で元通りの視力を得られるのだから、医学の進歩に感謝せずにはいられない。

ただ、眼を使い過ぎるのは良くない。
特に、パソコンに長時間くっついていた後は、明らかに視力の減退を感じるから、これを機会に1日2時間以内とすることにした。
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切り替えし

2014年11月15日 | 田舎暮らし
昨日、8月に仕込んだ自家製味噌の切り替えしを行った。

蓋を開けてみると周囲に少しカビが生えていたが、切り替えすと色鮮やかな味噌が現れた。



仕込んでからまだ3ヶ月。麹を多く(大豆の2倍)使っていることもあって、甘い良い味噌になって(なりかけて)いる。

「ブレンドすればいけそうだ」というので、早速、1kgほどを取り分けた。
味噌専門店から取り寄せている「元祖・秋田味噌」とブレンドして使用することにした。

蛇足:味噌作りのレシピは、こちらにあります。
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