きのう(29日)能登地方のある首長と立ち話をした。「このところの寒さで断水が起きて、給水車で対応に追われているんです」と。寒さで水道管が破裂するということはままあるので、「それは大変ですね」と言葉を添えた。ところが、きょうの新聞各紙では断水は半端ではない。能登の9市町で1万世帯余りに及ぶという。そして、過疎化という根深い問題が絡まっている。
報道によると、石川県危機対策課がまとめた断水被害は29日午後7時現在、能登の輪島市と志賀町で3千世帯、能登町で2千世帯、中能登町で1500世帯、穴水町で300世帯、羽咋市で120世帯、宝達志水町で100世帯、珠洲市で90世帯で断水状態となった。断水の原因は水道管の凍結、破裂による。冒頭の首長が言うように、これは地域の危機管理の一環であり、各市町は給水車を出すなど対応に追われている。
断水はこのところの氷点下の冷え込みが特に能登で厳しかったことに加え、指摘されているのは空き家での断水問題だ。能登地区の場合、集落で共同運営している配水池から水道水をひく場合が多い。空き家で水道管が破裂しても気付かれないため、漏水が続き、配水池の供給が追いつかなくなったことで被害が拡大するのだ。水道業者がメンテに回っても、水道管が雪に埋もれていると漏水している箇所が確認できないという問題もあり復旧は簡単ではない。最近の塩化ビニール管は氷の膨張に強いものの、旧型だと破損しやすいことも指摘されている。
断水被害が起きないようにするために、行政は住民に対して水道の蛇口から少し水を出し放っぱなしにして水道管の凍結や破裂を防ぐよう有線放送などで呼び掛けているが、空き家ではこうした対策が取られないという現状もあり、断水問題はまさに過疎化問題だ。
生活インフラでもっとも重要な水道水が出ないとなると、学校や保育所も休まざるを得ない。輪島市では29日、3つの小学校と2つの保育所が休校、休所となったと報じられている。他の自治体でも授業打ち切りなどが相次いだ。また、能登半島だけではなく、同じ日本海の新潟県佐渡島でも全2万4千世帯のうち4割に当たる1万世帯で断水が起き、県は陸上自衛隊に災害出動を求め、陸自が給水車をフェリーで運んでいると全国ニュースになっていた。佐渡では小中学校36校のうち26校が休校となった。断水問題は半島の過疎地や離島を直撃している。(※写真は輪島市門前町の海岸集落、27日撮影)
⇒30日(火)午前・金沢の天気 ゆき
報道によると、石川県危機対策課がまとめた断水被害は29日午後7時現在、能登の輪島市と志賀町で3千世帯、能登町で2千世帯、中能登町で1500世帯、穴水町で300世帯、羽咋市で120世帯、宝達志水町で100世帯、珠洲市で90世帯で断水状態となった。断水の原因は水道管の凍結、破裂による。冒頭の首長が言うように、これは地域の危機管理の一環であり、各市町は給水車を出すなど対応に追われている。
断水はこのところの氷点下の冷え込みが特に能登で厳しかったことに加え、指摘されているのは空き家での断水問題だ。能登地区の場合、集落で共同運営している配水池から水道水をひく場合が多い。空き家で水道管が破裂しても気付かれないため、漏水が続き、配水池の供給が追いつかなくなったことで被害が拡大するのだ。水道業者がメンテに回っても、水道管が雪に埋もれていると漏水している箇所が確認できないという問題もあり復旧は簡単ではない。最近の塩化ビニール管は氷の膨張に強いものの、旧型だと破損しやすいことも指摘されている。
断水被害が起きないようにするために、行政は住民に対して水道の蛇口から少し水を出し放っぱなしにして水道管の凍結や破裂を防ぐよう有線放送などで呼び掛けているが、空き家ではこうした対策が取られないという現状もあり、断水問題はまさに過疎化問題だ。
生活インフラでもっとも重要な水道水が出ないとなると、学校や保育所も休まざるを得ない。輪島市では29日、3つの小学校と2つの保育所が休校、休所となったと報じられている。他の自治体でも授業打ち切りなどが相次いだ。また、能登半島だけではなく、同じ日本海の新潟県佐渡島でも全2万4千世帯のうち4割に当たる1万世帯で断水が起き、県は陸上自衛隊に災害出動を求め、陸自が給水車をフェリーで運んでいると全国ニュースになっていた。佐渡では小中学校36校のうち26校が休校となった。断水問題は半島の過疎地や離島を直撃している。(※写真は輪島市門前町の海岸集落、27日撮影)
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