異常気象は世界を覆っている。28日付のBBCニュースは、7月の暑さが記録的なことから、「Climate change: July set to be world's warmest month on record」の見出しで、グレーテス国連事務総長のこのようなコメントを掲載している。「the planet is entering an "era of global boiling"」。「地球は沸騰化の時代に入った」と。グレーテス氏は単に暑いと言っているのはなく、異常な暑さの背景として化石燃料の使用による二酸化炭素の排出があると言っていることは間違いない。
また、BBCは別の記事(24日付)で、ロンドンの気象学者のコメントとして、現在の状況は温室効果ガスの増加によって気温が上昇した世界で起こると予測されていた、まさにその通りのことが起きていて、「気温上昇の傾向は100%、人類が引き起こしたことだ」と述べている。多くの人々はエルーニーニョ現象のせいだと思っているが、温暖化の記録はすでに6月で破られている。エルニーニョ現象は通常、発生から5、6ヵ月たたないと世界的な影響を及ぼさない、説明している。
気象庁は、今月20日にことしの夏は広い範囲で「10年に一度」クラスの暑さになる可能性があると発表していたが、BBCの記事を読むとそんな生易しい状況ではないようだ。むしろ、24日付の記事「Earth in uncharted waters as climate records tumble」にあるように、「地球は未知の領域」に入ってしまったのか。
ことし11月から国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)がアラブ首長国連邦で開催される。これまでの議論で国際社会は「世界平均気温の上昇を産業革命前に比べ1.5度以内に抑える」との目標を共有している。ところが、世界気象機関(WMO)の年次報告書によると、今後5年間のうち、少なくと1年間で1.5度を超える年が66%の確率である、としている。その66%の確率の年は今年になる可能性もある。
そうなるとCOP28は混乱に陥るだろう。環境団体からは石炭、石油、ガスなどすべての化石燃料の段階的廃止を強烈に求められる。COP28の議長はUAEのスルターン・アル・ジャーベル氏。アブダビ国営石油会社のCEOであり、UAEにおける気候変動対策やクリーンエネルギーへの取り組みに実績のある人物とされる。気候変動と化石燃料という地球課題を人類が納得するようにどう導いていくのか。
⇒29日(土)午後・金沢の天気 くもり
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