自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★雪国の美徳「雪すかし」 スコップに見える不都合な真実

2022年12月24日 | ⇒トレンド探査

   前回のブログの続き。まるで二羽の白鳥が雪が降った湖に入ろうか、どうしようか迷っている光景に見えた=写真・上=。白鳥に見えるのは低木に施された雪囲いで、首から頭の部分に見えるのは支えの竹。そして、雪の降った湖に見えるのはコンクリート塀の壁面だ。何気なく眺めていて、ふとカメラのシャッターを押した。雪は気温が上がれば溶けてカタチは変化するので、面白そうに見えた瞬間がシャッターチャンスでもある。

   きょうは朝から雪の晴れ間をぬって、雪すかし(除雪)の作業を行った。町内会でお達しがあったわけではないが、不思議と道路沿いの家々の人たちが一斉に出てきて、雪すかしの作業を行っている。土曜日の朝ということもあり、通勤の車も少なく、自宅前の道路の除雪作業にはタイムリーな時間帯でもある。「よく降りましたね」は、ご近所のみなさんと交わす朝のあいさつとなる。町内の雪すかしは、雪国の住民の「自助・共助」の美しい姿ではある。

   一方、毎年この雪の季節にまったく別の問題を考えてしまう。スコップとマイクロプラスチック問題のことだ。ご近所を見渡すと、スコップの8割がプラスチック製で、2割がアルミ製ではないだろうか。除雪する路面はアスファルトなので、そこで雪すかしをすると、プラスチック樹脂が摩耗する=写真・下=。微細な破片は側溝を通じて川に流れ、海に出て漂うことになる。

   粉々に砕けたマイクロプラスチックが海を漂い、海中の有害物質を濃縮させる。とくに、油に溶けやすいPCB(ポリ塩化ビフェニル)などの有害物質を表面に吸着させる働きを持つとされる。そのマイクロプラスチックを小魚が体内に取り込み、さらに小魚を食べる魚に有害物質が蓄積される。食物連鎖で最後に人が魚を獲って食べる。

   自身はなるべくステンレス製のスコップを用いるようにしているが、この問題を解決する方法は一つだ。プラスチック製のスコップのさじ部分の尖端をステンレスなど金属にするしかない。これを法令で制度化すべきではないだろうか。

⇒24日(土)午後・金沢の天気     くもり


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