みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

マルチ商法対抗録・3 (友達の善意)

2009年01月26日 23時41分30秒 | 日常のあれこれ
この連載の目次

(前回から続く)

「気持ちは分かる。今、収入がないよね。将来の生活が不安だよね」

Aちゃんをセルフのカフェに誘いました。スツールにちょこんと腰かけ、飲み物をちびちびと口に運んでは話を聞きます。

Aちゃんが、契約に至るまでの様子を説明してくれました。

同席していたのは ふたり。ひとりはAちゃんの友達であり、Aちゃんを化粧品ビジネスに勧誘したBさん。もうひとりは、既に7年前に加入し、かなりランクが上のベテラン会員。そのふたりとAちゃん1人の状況で説明を受け、契約したそうです。

勧誘者のBさんは、Aちゃんのことを常に気にかけている友達です。病気や体調不良で仕事に就けないAちゃんに新聞の求人情報を紹介するなど、何かと力になろうとしてくれます。Bさん自身も病気を持っており、過去に大きな手術も経験しています。幸い、Bさんは資格をいかした仕事に就いて収入を得ています。Bさん自身は、この化粧品ビジネスがマルチ商法などとは夢にも思っておらず、善意のつもりでAちゃんを勧誘したようです。

そればかりか、Bさんは、Aちゃんが購入した多額の化粧品を買い取ってもいいから、とにかく会員になるように勧めます。そんな多額の出費を背負ってまで勧誘したいとは、Bさんはいったいどこまで洗脳されているのでしょう。ベテラン会員や勧誘セミナーなどを通じてこの勧誘方法を入れ知恵されたのでしょうか。
「あの子は、そこまで言ってくれるの」
Aちゃんの目には、Bさんの自己犠牲と映っているようです。そんな友達から誘われれば、このビジネスを信じてしまうのも無理はないでしょう。ビジネスといっても、実態は、化粧品の販売より会員の獲得に重点を置いたマルチ商法ですが。

「クーリングオフについても説明があったよ」
最近の業者は、ちゃんとクーリングオフについても説明するようです。行政の指導が厳しいのでしょう。
「化粧品は、明日かあさってにも宅配便で届くと思う」
クーリングオフ期間は、化粧品が自宅に届いてから20日間。まだ間に合います。私は、Aちゃんがほかの友達を勧誘してしまう前に、何としてもクーリングオフさせることに決めました。

(次回に続く)

マルチ商法対抗録・2 (まさか、あのこと?)

2009年01月25日 19時33分21秒 | 日常のあれこれ
この連載の目次

(前回から続く)

まさか、あのこと?

Aちゃんが化粧品会社のセミナーに行ったと聞いて、頭をよぎりました。

この日、Aちゃんと会うまでに、互いにスケジュール確認のメールを交換していました。Aちゃんからのメールには、友達と一緒に化粧品会社の説明会に行ったと書かれていました。説明会の後は、デパートで買い物を楽しんで帰ってきたと。

あの説明会っていうのが、マルチ商法のセミナーだったのかも。

そして、一緒だったという友達がAちゃんをマルチに勧誘したのかも。

Aちゃんは仕事をしていません。化粧品会社の説明会に行くなんて、就職でもするのか、化粧品を売りつけられるのか。何か変だとは思いましたが、メールの文面は明るく、友達と楽しく過ごした様子が伝わってきました。引っかかるものがありましたが、説明会のことには触れずに返信し、再会のスケジュールを決めました。

何気なく読み過ごした一言に、マルチ商法の影が落ちていました。

Aちゃんが説明会に行った前日の夜、6時を過ぎていたでしょうか、私はAちゃんと会っていました。別れ際、Aちゃんは何か言いたげな顔をしており、すぐに私と別れるのをためらっているように見えました。

「またメールするよ」
私は仕事に戻りました。仕事の区切りをつけることを優先しました。Aちゃんが何か言いたげな表情をしていることには気づいていましたが、お茶に誘うなど、話を聞いてあげる機会は作りませんでした。

後の祭りでした。翌日、Aちゃんは友達と一緒に化粧品会社の説明会に行ってしまいました。そして、その説明会の実態は、マルチ商法の勧誘でした。

友達と一緒に化粧品会社の説明会に行くなら、当然、その友達とスケジュールを合わせる必要があります。Aちゃんは、何日も前からマルチ商法に誘われていたはずです。

あのとき、私がもう少しAちゃんと一緒に過ごす時間を作っていれば、マルチ商法の話も出てきたでしょう。そうすれば、私は説明会に行かないように引き止めていたはずです。化粧品なんてどこでも買える時代なのに、わざわざ説明会を開くなんて怪しすぎます。催眠商法などの悪徳業者しか考えられません (実際にはマルチ商法だったわけですが)。

兆しというのは本当に小さなものです。心に引っかかりはするものの、見過ごしがちです。異常にはっきり気づく頃には、既に問題が大きく大きく成長しています。まさしく病魔のように。

少し心に引っかかったからといって、いちいち問いただしていては、おせっかいが過ぎます。しかし、様子が変だと感じたのですから、本人が話を切り出せる機会を作るべきでした。

(次回に続く)

マルチ商法対抗録・1 (大きな「投資」をしちゃった)

2009年01月24日 23時45分55秒 | 日常のあれこれ

目次


第1回: 大きな「投資」をしちゃった
第2回: まさか、あのこと?
第3回: 友達の善意
第4回: 私にはこれしかないから
第5回: トンネルの中へ
第6回: クーリングオフしましょ
第7回: 板ばさみ
第8回: 決行
第9回: 信頼



Aちゃんと雑談していたときのこと。久しぶりに会ったのでお茶でもしようかと思いましたが、どうも様子が変です。外食を避けようとする雰囲気があります。

微妙な間を空けて、Aちゃんが切り出しました。
「今、お金がないんだ。大きな『投資』をしちゃったから」
「投資?」
化粧品を購入して会員になったそうです。友達を勧誘して新しく会員になってもらい、その友達が化粧品を購入すると、Aちゃんに10%のマージンが入るんだそうです。
「あー、マルチ商法だね」
「マルチじゃないよ」
「下の会員が商品を買うとその利益が入ってくるのは、典型的なマルチだよ」
「マルチじゃなくて、ちゃんとしたビジネスだよ」
「それをマルチって言うんだってば」
「マルチじゃないよ。クリーンなビジネスだよ」
ダメです。完全に洗脳されています。マルチ商法で利益を挙げられるのは、上位ランクのごく一部のメンバーに限られます。遅いタイミングで加入したAちゃんが利益を挙げられるとは思えません。

「自分のペースで無理せずにできる仕事は、これくらいしかないから」

Aちゃんは今、事情があって仕事に就けていません。フルタイムの仕事には体がついていかないのだそうです。体調が安定しないので、パートタイムでも長期にわたる仕事はできないと言います。

なぜか分かりませんが、私の周囲には経済的に困窮している人が多いのです。病気や心の傷が原因で仕事に就けない人、病気の親の面倒を見ている人、国民年金の保険料を払えない人……。ほかに、性同一性障害を理由に男性から女性に性別を移行しようとしても、職場の理解が得られない人もいます。

「そろそろ貯金も少なくなってきたし、自分が生活できるだけの収入がないと、やっていけないから」
どうやら、弱みに付け込まれた様子。

「友達にも勧めようと思って」
「やめときな」
よく言われるように、マルチ商法で失うのはお金だけではありません。友達を勧誘すると、その友達との関係もこじれてしまいます。

Aちゃんは、友達のBさんから化粧品ビジネスを紹介されたそうです。既にBさんと一緒に化粧品会社のセミナーに出席し、昨日契約を結んだばかりだと言います。
「セミナーでね、明日からシステムが変わるから、今のうちに入会しないと利益を挙げにくくなるって言われたの。だから今しかチャンスがないと思って」
契約を急がせるのは、かなり怪しいです。
「私が生きていく道はほかにないと思って、賭 (か) けに出たの」
Aちゃんの言う賭けとは、下位ランクの人が挙げた収益から分配を受けて生活の糧にすること。収益分配の権利を得るために、現金で多額の化粧品を買ったと言います。私の推測で50万円。化粧品にしては大金です (この金額はそのとき私がざっと見積もった金額ですが、後で調べてみると、誤差5%以下で当たっていました)。

「買った化粧品は、明日かあさってにも届くと思う」

下位ランクからの収益分配で利益を挙げるためには、自分より下位のメンバーを大勢加入させる必要があります。マージンが10%なら、10人加入させないと元はとれません。Aちゃんがその収益を期待しているということは、大勢の友達を勧誘するつもりに違いありません。しかし、Aちゃんが勧誘しても実際に加入する友達は少なく、断られることが多いでしょう。そして、断った友達はAちゃんから去っていくでしょう。

トータルで損失になるだけでなく、多くの友達も失うことが目に見えています。

それにしても、仕事がなくて貯金を食い潰すしかないAちゃんから なけなしの50万円を巻き上げるとは、いったいどんなセミナーだったのでしょう。

これは、しっかり話を聞いたほうがよさそうです。お金も友達も失う前に、一刻も早く解約させなければなりません。
「今、時間ある? お茶しない?」

(次回に続く)

食事は苦手です

2009年01月23日 22時21分44秒 | 日常のあれこれ
食事は苦手です。食後に吐き気で苦しんだことが過去に何回もありました。その記憶がまだ抜けず、食事のことを考えると不安に襲われます。その不安と戦いながらの食事。

食事中には、これを食べても食べ過ぎないだろうか、吐き気に襲われないだろうか、と胃袋の空き容量と相談しながら、胃もたれの不安と背中合わせで食べています。

それでも、家で食べるときは気楽です。食べ切れなかった分を冷蔵庫にしまっておけば済みますし、気分が悪くなったら横になることもできます。

一方、外食のときの不安は強烈です。店を出たら歩いたり乗り物に乗ったりして移動しなければなりません。食事中に吐き気に襲われても横になれません。途中で気分が悪くなって全部食べ切れなくなるのも困ります。食べ切れないなら最初から注文すべきではありませんから。世の中には食べたくても食料が手に入らない人も多いのです。

外食するときは、まずメニューとにらめっこ。手頃な量で栄養バランスもよく、脂っこくない料理を選びます。多くの場合、注文は少なめに、無難な線で決定します。基本的に和食を選びますが、天ぷらがセットになっていると、それだけで不安が増大します。よほど体調がよいときでない限り、外食でお腹いっぱい食べることはありません。

旅行中には体力を維持するために頑張って食べるようにしていますが、それでも不安に押し潰されて注文を控えめにすることも少なくありません。レストランを出てから翌日の朝食を買いにスーパーに入った後にお腹が空き始め、追加で食べるサンドイッチを買ってホテルに帰ったこともあります。

一緒に食べる相手がいると不安は倍増します。ひとりで食べるだけなら食べられるはずの料理も、誰かと一緒に食べると胃の中で落ち着かないという場合もあります。

普段の生活では、食事を面倒に感じて省いてしまうこともよくあります。やせるために食事を抜くのではなく、面倒だから抜く。食べる気にならないから抜く。今日はどこかに出かけるわけでもないし、特に体力も必要にならないから食べなくてもいいや、と。食事が面倒で、布団から起き出せないこともあります。体にはよくないのでしょうが、食事は苦手です。

応用の利く子

2009年01月22日 23時38分06秒 | 日常のあれこれ
油引きのふたが なくなりました。

理由は、母が間違えて捨ててしまったから。

何と間違えたかと言うと、鏡餅のケース。

年末に買ったミニ鏡餅には小さな牛のマスコットが乗っていました。そのマスコットとミニ鏡餅は、ドーム状のプラスチックのケースで覆われていました。

mochi04C2.jpg

こんな感じのケースね (実際に乗っていたのは橙ではなくてモーモーですが)。

このケースは、先日、鏡開きをした後に捨てました。ところが、あろうことか、キッチンに置いてあった油引きのふたをその鏡餅のケースと間違えて、捨ててしまったのです。

おかげで油引きはむき出しの状態。このままでは中にホコリが入ってしまいます。

新しい油引きを買ってくるべきか。

うーん……

ひらめいた。これだっ!

kitchn03.jpg: 油引き

ぴったりのケースが見つかりました。まるで専用にあつらえたかのように、ぴったり溝にはまります。

この容器は、もともとカップめかぶが入っていた容器です。

seaweed01.jpg: カップ入りのめかぶの酢の物

容器は割と厚く、指で軽く押した程度ではへこみません。

我ながら、すばらしい再利用。

こんなところで めかぶの容器が役に立つなんて。フウセンカズラの種を入れるだけでなく、いろいろ応用の利く子です。