私は昭和43年の卒業です。それから7年後に損害保険会社の社内代理店の形で社員の扱いに成りましたが、この時代のグレーな待遇です。
現在、日本の労働者の労働条件が、この時代に比べて大きく悪化しています。
あの時代のグレーな会社員(外務員)でさえ、労働組合に加入し純然たる社員と労使の交渉をしたものです。
ところが日本全体で、資本家による労働組合の弱体化が始まり、労働組合の一部の幹部は瞬く間に、経営者に取り込まれました。
ここから、3公社5現業の民営化を図られ、労働組合の分裂や幹部の取り込みで労働者の待遇や労働条件が急速に低下したのです。
本来なら、この時期に資本家や経営者の目論見を暴いて、労働者の地位を守る方向に舵を取るべきだったのです。
ところが戦後の国策で、国民の愚民化と政治に対する無関心を埋め込む教育から、能天気に成り切った国民には、労働者の待遇や労働条件を見直しような努力をする気を失っていました。
この労働者の待遇の改悪は限りなく長く続いてしまいました。世界の資本主義国家の中でも、最悪の劣化でした。
最近になって、海外からの労働者が増えたり、人材派遣や期間採用の労働者が増えて、海外の労働者との違いが取り上げられ始めましたが、氷山の一角でしかありません。
日本国民、憲法始め法律の学習が全く出来ていないのです。
労働者が有する、法律上の権利が何処まであり現在、何処まで守られているのかなんて、考えたことも無い人ばかりです。
あの時代の最高の待遇、労働条件に比べて、現在は酷いものです。
そこには日本の政財界の悪巧みがあります。国会に出される法案には、その悪巧みが隠されていました。
能天気に成り切った日本の労働者達は、知らぬが仏のばかりに踊らされて来たのです。基本的に労働者と経営者は利害、相反するものです。
その部分を無視して、全面的に協力なんて無理な話なのです。
対外的に競争する面での協調は程度の問題です。待遇面や労働条件面では互いに切磋して競争しなければなりません。