ふうせんのホームページ

合唱とパソコンを趣味として、つれづれなるままに、書き連ねます。

無縁死

2014-10-15 12:27:01 | 日記

何とも、重い内容の本だった。

最近、「死」というものが、近づいているだろうことを、考える。

 

今は身内がと呼べる者が3人いる。

一人は、まだ未婚だが独立している。

あとの二人は、定職につけず、にいる。

年を重ねて、片足が棺桶にかかっている気がするようになり、無職になった自分。

働けなくなった自分を時折想像する。

「孤独死」「孤立死」「行倒死亡人」なんて言葉に関心が向く。

人は、社会の中で生きている。

けれども、死ぬときは一人ぽっちかもしれない。

父も、配偶者も、ひっそりと逝った。

母は病院で看護師さんたちに、たぶん看取られたのだろう。

 

5人家族が今は、4人家族になり、一人、独立して3人同居になった。

自分の最期はどうなるのか、最近気になる。

 

この本は「無縁」を取り上げていた。

社会で颯爽と日々送っていた人が、一人暮らしをし、隣近所とも友人とも疎遠となる。

「無縁」となって、何日も、発見されずに、亡くなっている。

肉親や身内がいても、「引き取り拒否」だったり、名前さえ判明せずに、「行倒死亡人」となって、官報の片隅に、死亡していた時の簡単な文書が載る。

地方自治体が、処理をして、終わる。

 

他人事ではないと思うと、一字一句が身につまされる。

人との関係が薄れ、無くなる。

つながりを無くした人は、自殺を考えたり、実行する人もいるそう。

長寿社会と言われている、この時代。

家族や近所付き合い、つながりを無くしてしまうと、無縁となって、ひっそりと死を迎えるしかない。

 

なにか、とてもやるせない思いになった。

 

老人だけの話と思いきや、若者にも、予備軍と思える人がいるそう。

こんなに人があふれているのに、こんなに狭い所に、たくさんの人が住んでいるというのに。

 

無縁社会

NHKスペシャル取材班 編著

文春文庫

ISBN978-4-16-783805-8