冷房より「除湿」の電気代が高いのは本当? 実験して比べてみました
2021/07/17 19:00
雨続きの毎日で、室内の湿度に悩まされている人も多いのでは? そんなときに使いたくなるのが、エアコンの「除湿機能」です。でも、除湿の電気代のほうが高いという噂も…。そこで、冷房と除湿運転の消費電力や電気代の違いを比べてみることにしました。カタログスペックだけでなく筆者の自宅でも実験をしてみましたので、ぜひチェックしてくださいね。
そもそも「冷房」と「除湿」の違いとは?
意外と知らない「冷房」と「除湿」の違い
まずは、エアコンの冷房と除湿の違いについて知っておきましょう。
・冷房の仕組み
エアコンの冷房は、液体が蒸発するときに周囲の熱を奪う性質を利用して、室内の空気を冷やします。空気は圧縮されて、高温高圧になり、熱交換器内のファンの中で冷却され、冷却する際に熱を発しながら液体化します。その後、キャビラリーと呼ばれる装置で圧力を下げられ蒸発し、周囲の熱を奪うのです。
これを繰り返しているのがエアコンの冷房。難しくなりましたが、要は「気化熱」によって涼しくしているのが冷房というわけです。
・除湿の仕組み
エアコンの除湿には、主に「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類があります。どちらも室内の水分を屋外に排出することで湿度を下げる働きがあります。両者の違いは、「室内に戻す温度」です。弱冷房除湿は、室内の水分を集めて放出し、涼しい風を室内に戻します。
一方で再熱除湿は、冷たくした空気を再度暖めて室内に戻します。なぜ暖めるのかというと、除湿でどんどん部屋の温度が低くなってしまっては、肌寒く不快に思うケースもあるからです。湿度が高くて不快だけれどもエアコンをつけると肌寒くなる、そんな梅雨寒の日や秋の長雨の季節に再熱除湿が役に立つのです。