五輪バス運転手「きつい」…宿は密状態、謎ルールも
2021/07/30 16:00
(朝日新聞)
東京五輪の関係者の輸送を担うバス運転手から、不満の声があがっている。1日あたり最大2200台という大規模な輸送に対応するため、全国各地から乗務員が集められたが、宿泊施設の感染対策が不十分で、制約も多いと感じているという。
27日午後6時ごろ、五輪の輸送関係者の宿泊先の一つ、国立オリンピック記念青少年総合センター(渋谷区)。仕事を終えたバス運転手が観光バスに乗って続々と帰ってきた。
■「宿は監獄」
福島から来た男性運転手は「宿は監獄。感染対策もなく怖い」と打ち明ける。
男性は五輪開会式の1週間前から約1カ月間の予定で、有明にあるメディアセンターと各ホテルを往復し、マスコミ関係者を運ぶ仕事を担う。勤務は10日働いて1日休みで、労働時間は8時間ほど。この日は朝5時半ごろから夕方5時までだった。
大会組織委員会によると、バス乗務員は九州や東北など全国各地から集められ、参加する事業者は約600社。五輪だけで延べ計6・3万人の乗務員が従事し、バスの車両数は1日あたり最大2200台が稼働する。
乗務員は首都圏の複数の宿泊先から、3カ所あるバスの駐車場まで行き業務にあたることになっており、青少年総合センターはその一つだ。宿泊代はかからないが、その代わりに食事などは出ない。