投資本 これを読め!(5)「株で勝つ」他ピーター・リンチ☆☆☆☆
米国の「伝説」のファンドマネージャー、ピーター・リンチの著作。
「株で勝つ」が代表かと思いますが、他にもいろいろあり。
ピーター・リンチの著作は、株式投資を始めたかなり早い段階で読み、大変励まされた覚えがあります。
というのは、彼の個人向けの書籍の特徴は、日常の生活の中に銘柄探しのヒントがあり、それを活用することで
プロの投資家にも勝るパフォーマンスを挙げることができるといった内容にあるからです。
よく小売関係、食品関係の銘柄などが例に出されます。
実際、こういう場合というのはあると思いますね。
というのは、目の前で、今、リアルタイムで実際に起こっている状態、状況というのは、必ずしも、発表された決算はもちろんのこと、
株価にも織り込まれているとは限らないからです。
ですから、目の前の状況、状態を、たまたまということも含めて、うまく判断できれば、これはマーケットに先行して
いい銘柄を仕込める可能性があるというわけです。
ここまでは考え方としてはいいです。しかし・・・、です。
プロでもない個人投資家が、いつも適切に目の前の状況を判断して、それを実際の投資に活かせるでしょうか。
まあ、それは無理です。しかし、結果論的にはうまくいく可能性はあります。
あなたが、私が気がついたことは
・既にそんなことは周知のことで、決算にも株価にも織り込み済みである。
・そんなことは業績にはほとんど影響はなく、株価を動かす材料にはなりえないささいなことである。
・それはごく一部の状況にすぎず、企業全体として見れば、そんな状況は起こっていない。
・そもそも事実を見誤り誤解して解釈、判断しており、事実は反対である。
等々、個人投資家の見方は誤っていることの方が多いかなと思います。
じゃあ、プロのアナリストなり投資家の見方、判断が正しいかといえば、それはコンセンサス形成、だいたいこんな
ところだよねーと考えている、というようなところには影響はあっても正しいとは言い切れません。
つまり、まあ、どっちもどっちというのか正直なところでしょう。
というような限界については最初から理解した上であっても、ピーター・リンチの著作の内容は「魅力的」ではあり、
発想としては有効だと思います。平易な書き方で、読みやすいのもよいです。