宮崎駿の「風立ちぬ」を見てきた。
映像の素晴らしさはおそらく日本一、世界一かもしれない。自然描写、飛行機が空を飛ぶ様、東京大震災の映像は我々を惹きつけてやまない。
零戦の設計者堀越二郎と、夭折の作家堀辰雄を折衷した主人公を描いたというが、堀辰雄が奥さんとともに結核にかかり、富士見高原療養所で療養した。又零戦の設計者として名古屋の三菱重工に入社した、というくらいの知識しかなかった。
隣町の富士見高原と名古屋が舞台(勿論東京もあるが)とあり、何か因縁を感じる。
しかし宮崎駿は何を描きたかったのだろう。夫婦愛、技術者魂、反戦思想、それぞれ触れられてはいるんだけど、深みが少し足りないと思う。映像が素晴らしいだけに、そのへんのツッコミが少し物足りなく感じた。
ただ堀越二郎の技術者としての率直さ、理性的な行動様式は見事に描けている。
これはアニメではあるが、子供向きではない。それだけにもう少し突っ込んだ描写があってもよかったのではないか。