
オリンピック予選での日本チームの活躍は歯がゆいというか、もう一つというか、見てる方には面白いが、もう少し力をはじめから発揮してほしいと思うのは私だけではないだろう。今回惜しくも予選リーグ突破は果たせなかったのが残念である。
手倉森監督の「日本の使命を感じ、歴史を体現する」というのは面白いが、なにか何時も相手に押し込まれてからでないと、動きがキレない。監督の仕事はどんなんだろうと、昔の本を引っ張りだして読みなおしてみた。
城福浩「Jリーグ サッカー監督」プロフェショナルの思考法 株式会社カンゼン 2012年刊
著者はFC東京、ヴァンフォーレ甲府監督を歴任し、U-17代表監督も経験している日本有数の人物である。この本はかなり実践的で、監督の動きが等身大に描かれている。チーム編成の実際、方針の示し方、浸透のさせ方、一週間の過ごし方、メンバーの選び方、采配の仕方、戦術、戦略、システム、果ては若手の育成法までかなり多岐にわたって言及している。発刊した2012年はまだ現役監督であった(つい先ごろ更迭されたようだが)ことを考えると、よくここまで開陳できたと思うほどである。
プロのチームの監督論なので、アマチュアの監督にそのままは適用できないとは思うのだが、それでも多くの点で活用できるような点が多くある。具体的に語られているので気がついたのは、サッカーの世界も進歩が激しい、昨日までのセオリーが今日はもう古くて使えない、決して流行frはなく、対処法が編み出されたので使えないという戦術が多々あるということである。
こうしてみるとサッカーは、グラウンドでは選手が一生懸命動いているのだが、全体で見ると監督同士の戦いであるのがよく分かる。これでまたサッカー観戦が面白くなってきた。