高台寺入り口
茶室
小堀遠州作の庭園
二年坂を降りてきて高台寺にぶつかる。広い駐車場にバスや乗用車が沢山日差しを浴びていた。拝観料を払って中へ。いきなり小ぶりな茶室がお出迎え。利休好みの侘び寂びの風雅な建物だ。高台寺は以前同年会の旅行できたことがある。秀吉没後、北政所(ねね)が1606年開設した寺で、家康の政治的配慮から、多大な財政的援助を受けて創設されたと言う。勅使を迎えた方丈はゆったりとした作りで、白砂が敷き詰められ反射で室内が明るくなるようにしつらえてある。池を跨いでつながっている渡り廊下も瀟洒な作りで、なんとなく女性的に感じる。明るい庭園は小堀遠州作の石組みが施され、心地良さ気なリズムで満たされている。
方丈前庭と勅使門
方丈前庭
観月台
楼船廊
臥龍廊
第一世の住持三江紹益前肢を祀る開山堂には、北政所の御所車の天井、秀吉の御座船の天井がそれぞれ用いられている。なかなか豪華である。臥龍廊で結ばれた御霊屋は秀吉と北政所を祀ってあり、もっとも山側に位置している。北政所像の真下には今も甕棺に収められた遺体が埋まっているそうだ。
ここからさらに山側に登ってゆくと、傘亭と時雨亭に行き着く。桃山から移設したこの茶室は利休が設計し、移設後二つの茶室をつなげたのは小堀遠州だという。秀吉の初期の頃なのか、利休の強い指示なのか、いずれも鄙びた佇まいで、秀吉好みの黄金の茶室の面影は微塵もない。傘亭は船が乗り入れられるような作りになっており、これが凝った趣向ではある。時雨亭も掛け軸の代わりに窓から見える景色をそれに見立てるという施行が行われている。
団体旅行できた時にはない、じっくり、ゆったりした時間の流れの中で、過ごすことができた。
御霊屋
傘亭
時雨亭
遠景
中門からの開山堂
見事な竹垣
八坂さんへの道