オーストリア人は商売上手?

 もとF1パイロット、ゲルハルト・ベルガーが2006年デビューの新チーム「スクーデリア・トロ・ロッソ」(元、ミナルディであることはご存じの通り)の運営に加わるとのニュースが流れてきた。ベルガー個人ではなくベルガーが経営する運送会社がトロ・ロッソの株式の半分を取得したことによるもののようである。

 ベルガーと言えば1980年代にはあのセナの同僚として、またフェラーリのドライバーとして人気を博したものである。日本では甘いマスクで女性の人気絶大であった(が「女たらしでも有名」。比較的最近ではBMWモータースポーツのディレクターを務めたことをご記憶の方もいるだろう。ちなみにベルガーのF1通算210戦出走はリカルド・パトレーゼ、ミハエル・シューマッハにつぐ歴代3位の記録。優勝は10回でチャンピョンには程遠い成績(彼より少ない優勝回数でワールドチャンピョンに輝いたドライバーもいるにはいる)だが、こちらは歴代22位。

さて、表題の「オーストリア人は商売上手?」をご覧になって、どうして?っと思われた方も今時は多いかも知れないな。この謎は過去のオーストリア人F1ドライバーにどんな人がいるのかを思い出してみればすぐにわかる。そう、ニキ・ラウダである。ラウダは1972~85年の間に出走171回、優勝25回(歴代6位)。3度のチャンピョンに輝いている。

 ベルガーは運送会社を現在経営しているようだが(創業は父親の代らしい)、ラウダはその名も「ラウダ航空」というエアラインをF1ドライバー引退後に自ら起こした。ローカル線とチャーター便の運行会社であるが創業初期にはラウダ自身も操縦桿を握ったのだと言う。

 そんなラウダ航空、実は日本とは少なからぬ縁がある。かつてラウダ航空の機材であったリージョナルジェット、ボンバルディアCRJがいま、日本の空を飛んでいるのだ。規制緩和の波に乗ったフェアリンク(現IBEX)が自社発注の新造CRJ到着に先立ちラウダ航空から購入(有体に言えば「中古」だ)したCRJで運行を始めたのであるが、この機材は現在も日本の空を飛んでいる。

 このCRJは100LR型で、2000年5月にラウダ航空のベースであるウィーンでフェアリンクに引き渡され、その後カナダとアメリカでの改修を経て8月にフェアリンクのベースである仙台空港に到着している(レジスタ:JA01RJ)。同年12月13日には1号機同様ラウダ航空から購入した2号機も仙台に到着し、2001年4月1日から運行が開始されている(レジスタ: JA02RJ)。

 それにしてもベルガー、トロ・ロッソの株の半分を買い取るほどの利益を家業で得たのは立派だけれど、現役時代には成し得なかったチャンピョン獲得をトロ・ロッソで狙おうと言うのか。申し訳ないけれど、それはちょっと望み薄だぞ。

 今日の1枚は、すみよしの森から遠望したあかねの森の南側。雑木林と杉林そして竹林が同居している様子が良くお判りいただけるだろう。
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