唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
カメラの種類と特徴を整理しよう(その4、最終回)
昨日に続いて、デジカメ、コンデジ、デジタル一眼レフ、デジイチ、デジタル一眼、マイクロ一眼など色々な呼び方のあるデジタルカメラを、カテゴリ毎にその特徴を判りやすく紹介しようという記事の第4回目。今日は、これから登場しそうな新しいカテゴリのカメラについて書いてみたいと思います。中・上級者、あるいはカメラにはまったく興味のない方はどうぞ読み飛ばしてください。
ネオ一眼
一時期、富士フイルムが自ら「ネオ一眼」を名乗る製品(FinePix S9000など)を展開していました。今は「ネオ一眼」を名乗る製品はなくなってしまったようですが、現行モデルではFinePix S100FSあたりがこの流れを汲むモデルだと思います。
製品の成り立ちは、コンデジよりもやや大型のイメージセンサー(FinePix S100FSは2/3インチ型)と明るく高倍率の固定式(交換できない)ズームレンズを持ち、レフレックス機構は持たず内臓EVFを採用した「擬似一眼レフ」ということになります。標準ズームレンズ付きのD40と同程度の重さなど、いかにも中途半端なカテゴリで低価格のデジタル一眼レフ普及前期に咲いた徒花と云うことが出来ますが、ただ、このカテゴリが今のデジタル一眼や次に述べる新しいたデジタルカメラの嚆矢となったと云えるかも知れません。
APS-Cコンパクト
ここからは今後登場するであろう、新しいカメラのスタイルです。まず最初にご紹介するのが「APS-Cコンパクト」です。このカテゴリで真っ先に登場するのは何とライカのX1です。APS-Cサイズのイメージセンサーと、交換できない単焦点広角レンズを持つX1は、リコーの「高級コンデジ」GR Digital IIIとその成り立ちがよく似ていますが、最大の特徴はGR Digital IIIのイメージセンサーが1/1.7インチ型なのに対してライカX1がAPS-Cサイズのセンサーを使用していることです。面積比で10倍もの違いは画質、特に高感度撮影時に大きな差となって現れる事は必至です。X1にはEVFが内臓されずまた外付けのオプションで用意されるのが光学式ファインダーであるところもGR Digital IIIに良く似ています。
このタイプのカメラはニコンも開発を進めていると噂されていますが、果たしてレンズが固定式なのか、EVF内臓なのかあるいは外付けオプションのEVFが用意されるのかについては一切闇のうちです。もっともレンズが交換式なのだとすれば「APS-Cコンパクト」とは別なカテゴリと考えるのが適当ですし、当然その際にはフォーサーズに対するマイクロフォーサーズのようにレフレックス機構を廃止、フランジバックを短縮した新しい規格のマウントシステムが採用されるものと思われます。
注:現時点で発売されているものとしてはシグマのDP1、DP2が非常に近いものと云えますが、イメージセンサーがAPS-Cよりも若干小さいこと、メジャーなメーカーの製品ではない事から上では触れませんでした。
レンズ交換式APS-Cコンパクト
既に前の項で触れた、レンズ交換方式でありながらレフレックス機構は持たずAPS-Cセンサーを使用し、EVFを内臓しないカメラのカテゴリに「レンズ交換式APS-Cコンパクト」を云う名前を付けてみました。
これは郷秋<Gauche>のまったく勝手な希望ですが、ニコンからこんカメラが出れば何をおいても郷秋<Gauche>は飛びつくことでしょう。レンズマウントはAPS-Cセンサー専用とし伝統のFマウントより小さいものを新たに採用します。レフレックス機構を廃止ことによりフランジバックはオリジナル「F」の半分程に短縮されますから専用レンズはすべて新設計となりますが、マウントアダプタを介すことでAF、MF問わずすべてのFマウントニッコールが使用できるようになります。
ボディ本体の小型化のためにEVFは内臓されませんが当然外付けのEVFが用意されます。ボディの大きさはオリンパスEP-1と同等ですが、マウントアダプタを装着したボディにはすべてのFマウントニッコールが装着でき、EVFにより被写体をリアルに見ることが出来ますからニコンDSLRのサブ機として大いに活躍するカメラとなることでしょう。
Kマウント・コンパクト
このカテゴリでは、リコーがペンタックスのKマウントを使用したカメラを開発中との噂もあります。マウントが「K」であること以外は上に書いたニコンの「レンズ交換式APS-Cコンパクト」とほぼ同じ成り立ちだと想像します。X1がGR Digital IIIとセンサーの大きさを除いて同じ成り立ちであることは既に書きましたが、もしX1と同じカテゴリのカメラが増えてくれば、高級コンデジとしてのGR Digital IIIの競争力は一気に低下しますので、その時の為にリコーはKマウント&APS-Cを持ったカメラの開発を進めているものと思われます。
Kマウントの本家であるペンタックスがデジタルカメラ市場で苦戦しており、ペンタックスを擁するHOYAが売却先を探しているとの情報も流出している状況の中でのリコーのKマウント採用の噂です。あるいはHOYAのカメラ部門をリコーが買収するのではないかとの憶測も出てきていますが、ペンタックス独自に中判のデジタル645を開発中なのは周知の事実。カメラファンとしては今後の情報から目を離せませんね。
以上で「カメラの種類と特徴を整理しよう」はおしまいです。各カテゴリのカメラについて初心者でもわかり易いように書いたつもりですが、特に第4回は郷秋<Gauche>の「希望」が先行してわかりにくいものになってしまったかも知れません(^^;。
現時点でさえ多くの種類のデジタルカメラが販売されています。今後はムービー機能が更に強化された新しいカテゴリが生まれるかも知れませんし、ニコンのCOOLPIX S100pjのようなプロジェクタ機能内蔵のカメラが新たなカテゴリを形成するかも知れます。あるいは今現時点では想像もできないようなカメラが数年後には商品化されているかも知れません。そういう意味ではますます楽しみなカメラですが、「カメラに撮らされる」のではなく、撮影者の創造性・創造力をかき立てるようなカメラであって欲しいと願わずにはいられません。
お願い:全体として大きな間違いはないものと思っておりますが、もし郷秋<Gauche>の勘違いや不正確な記述にお気づきになりましたらどうぞご指摘ください。ただし、ほんの僅かな例外はないものとして書いている部分もある事をご了解ください。
「カメラの種類と特徴を整理しよう」シリーズ、掲載予定
■ カメラの種類と特徴を整理しよう(その1)(10/5掲載)
【キーワード:デジカメ / コンデジ / 高級コンデジ / GR / GX200】
■ カメラの種類と特徴を整理しよう(その2)(10/6掲載)
【キーワード:デジイチ / デジタル一眼レフ / D300s / 7D】
■ カメラの種類と特徴を整理しよう(その3)(10/7掲載)
【キーワード:デジタル一眼 / マイクロ一眼 / GF1 / E-P1】
■ カメラの種類と特徴を整理しよう(その4)(この記事)
【キーワード:APS-Cコンパクト / Kマウントコンパクト / X1】
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、昨日に続き北鎌倉、東慶寺境内の野仏。
ネオ一眼
一時期、富士フイルムが自ら「ネオ一眼」を名乗る製品(FinePix S9000など)を展開していました。今は「ネオ一眼」を名乗る製品はなくなってしまったようですが、現行モデルではFinePix S100FSあたりがこの流れを汲むモデルだと思います。
製品の成り立ちは、コンデジよりもやや大型のイメージセンサー(FinePix S100FSは2/3インチ型)と明るく高倍率の固定式(交換できない)ズームレンズを持ち、レフレックス機構は持たず内臓EVFを採用した「擬似一眼レフ」ということになります。標準ズームレンズ付きのD40と同程度の重さなど、いかにも中途半端なカテゴリで低価格のデジタル一眼レフ普及前期に咲いた徒花と云うことが出来ますが、ただ、このカテゴリが今のデジタル一眼や次に述べる新しいたデジタルカメラの嚆矢となったと云えるかも知れません。
APS-Cコンパクト
ここからは今後登場するであろう、新しいカメラのスタイルです。まず最初にご紹介するのが「APS-Cコンパクト」です。このカテゴリで真っ先に登場するのは何とライカのX1です。APS-Cサイズのイメージセンサーと、交換できない単焦点広角レンズを持つX1は、リコーの「高級コンデジ」GR Digital IIIとその成り立ちがよく似ていますが、最大の特徴はGR Digital IIIのイメージセンサーが1/1.7インチ型なのに対してライカX1がAPS-Cサイズのセンサーを使用していることです。面積比で10倍もの違いは画質、特に高感度撮影時に大きな差となって現れる事は必至です。X1にはEVFが内臓されずまた外付けのオプションで用意されるのが光学式ファインダーであるところもGR Digital IIIに良く似ています。
このタイプのカメラはニコンも開発を進めていると噂されていますが、果たしてレンズが固定式なのか、EVF内臓なのかあるいは外付けオプションのEVFが用意されるのかについては一切闇のうちです。もっともレンズが交換式なのだとすれば「APS-Cコンパクト」とは別なカテゴリと考えるのが適当ですし、当然その際にはフォーサーズに対するマイクロフォーサーズのようにレフレックス機構を廃止、フランジバックを短縮した新しい規格のマウントシステムが採用されるものと思われます。
注:現時点で発売されているものとしてはシグマのDP1、DP2が非常に近いものと云えますが、イメージセンサーがAPS-Cよりも若干小さいこと、メジャーなメーカーの製品ではない事から上では触れませんでした。
レンズ交換式APS-Cコンパクト
既に前の項で触れた、レンズ交換方式でありながらレフレックス機構は持たずAPS-Cセンサーを使用し、EVFを内臓しないカメラのカテゴリに「レンズ交換式APS-Cコンパクト」を云う名前を付けてみました。
これは郷秋<Gauche>のまったく勝手な希望ですが、ニコンからこんカメラが出れば何をおいても郷秋<Gauche>は飛びつくことでしょう。レンズマウントはAPS-Cセンサー専用とし伝統のFマウントより小さいものを新たに採用します。レフレックス機構を廃止ことによりフランジバックはオリジナル「F」の半分程に短縮されますから専用レンズはすべて新設計となりますが、マウントアダプタを介すことでAF、MF問わずすべてのFマウントニッコールが使用できるようになります。
ボディ本体の小型化のためにEVFは内臓されませんが当然外付けのEVFが用意されます。ボディの大きさはオリンパスEP-1と同等ですが、マウントアダプタを装着したボディにはすべてのFマウントニッコールが装着でき、EVFにより被写体をリアルに見ることが出来ますからニコンDSLRのサブ機として大いに活躍するカメラとなることでしょう。
Kマウント・コンパクト
このカテゴリでは、リコーがペンタックスのKマウントを使用したカメラを開発中との噂もあります。マウントが「K」であること以外は上に書いたニコンの「レンズ交換式APS-Cコンパクト」とほぼ同じ成り立ちだと想像します。X1がGR Digital IIIとセンサーの大きさを除いて同じ成り立ちであることは既に書きましたが、もしX1と同じカテゴリのカメラが増えてくれば、高級コンデジとしてのGR Digital IIIの競争力は一気に低下しますので、その時の為にリコーはKマウント&APS-Cを持ったカメラの開発を進めているものと思われます。
Kマウントの本家であるペンタックスがデジタルカメラ市場で苦戦しており、ペンタックスを擁するHOYAが売却先を探しているとの情報も流出している状況の中でのリコーのKマウント採用の噂です。あるいはHOYAのカメラ部門をリコーが買収するのではないかとの憶測も出てきていますが、ペンタックス独自に中判のデジタル645を開発中なのは周知の事実。カメラファンとしては今後の情報から目を離せませんね。
以上で「カメラの種類と特徴を整理しよう」はおしまいです。各カテゴリのカメラについて初心者でもわかり易いように書いたつもりですが、特に第4回は郷秋<Gauche>の「希望」が先行してわかりにくいものになってしまったかも知れません(^^;。
現時点でさえ多くの種類のデジタルカメラが販売されています。今後はムービー機能が更に強化された新しいカテゴリが生まれるかも知れませんし、ニコンのCOOLPIX S100pjのようなプロジェクタ機能内蔵のカメラが新たなカテゴリを形成するかも知れます。あるいは今現時点では想像もできないようなカメラが数年後には商品化されているかも知れません。そういう意味ではますます楽しみなカメラですが、「カメラに撮らされる」のではなく、撮影者の創造性・創造力をかき立てるようなカメラであって欲しいと願わずにはいられません。
お願い:全体として大きな間違いはないものと思っておりますが、もし郷秋<Gauche>の勘違いや不正確な記述にお気づきになりましたらどうぞご指摘ください。ただし、ほんの僅かな例外はないものとして書いている部分もある事をご了解ください。
「カメラの種類と特徴を整理しよう」シリーズ、掲載予定
■ カメラの種類と特徴を整理しよう(その1)(10/5掲載)
【キーワード:デジカメ / コンデジ / 高級コンデジ / GR / GX200】
■ カメラの種類と特徴を整理しよう(その2)(10/6掲載)
【キーワード:デジイチ / デジタル一眼レフ / D300s / 7D】
■ カメラの種類と特徴を整理しよう(その3)(10/7掲載)
【キーワード:デジタル一眼 / マイクロ一眼 / GF1 / E-P1】
■ カメラの種類と特徴を整理しよう(その4)(この記事)
【キーワード:APS-Cコンパクト / Kマウントコンパクト / X1】
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例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、昨日に続き北鎌倉、東慶寺境内の野仏。
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