EVF搭載カメラは普及するのか

 一昨日の日経で、セイコーエプソンがデジタルカメラのファインダー向けの液晶パネルを開発し量産を開始したことが報じられていた。この製品は横800ドット×縦600ドット表示のSVGA規格。薄膜トランジスタを採用し約1677万色のカラー表示が可能だという。エプソンは既に長野県富士見町にある諏訪南工場に量産ラインを設置し、来年度には年間50万枚以上の出荷を目指すという強気の計画。

 日経の記事には「デジタル一眼レフカメラで採用が進むと見込み(後略)」と書かれていたが、これは「レンズ交換方式デジタル一眼に採用が進む見込み」の間違いだな。だってデジタル一眼レフにEVF(電子式ビューファインダー)を搭載したら一眼レフじゃなくなっちゃうからね。
注:一眼レフとデジタル一眼の関係、EVF等については郷秋<Gauche>が今月初旬に書いた「カメラの種類と特徴を整理しよう」(全4回)を参照してください。

 さて、興味深いのは件のEVF用液晶パネルの横800ドット×縦600ドットと云うサイズだ。このサイズのアスペクト比(縦横比率)は4:3。一眼レフ用の最も一般的なイメージセンサーであるAPS-Cやフルサイズセンサーのアスペクト比は3:2。それじゃアスペクト比4:3のイメージセンサーは何と云えば、フォーサーズ、マイクロフォーサーズである(所謂「コンデジ」も4:3だがコンデジにEVFは搭載されない)。

 結局、今回セイコーエプソンが開発したEVF用液晶パネルはフォーサーズ及びマイクロフォーサーズ用と云うことになる。もっと具体的に云えば、オリンパス のE-P1、パナソニックのLUMIX GF1の後継機、あるいは新規に投入されるフォーサーズ及びマイクロフォーサーズを採用する「デジタル一眼」用と云う事になる。

 しかしだなぁ、年間50万台と云うことは月4万台で、エプソンは更なる増産にも対応出来ると云っている。いったいどこがこんなに沢山のEVF付き(内臓とは限らなず外付けもあり)「デジタル一眼」を作って売るんだろう・・・。

参考:「カメラの種類と特徴を整理しよう」シリーズ

カメラの種類と特徴を整理しよう(その1)(10/5掲載)
    【キーワード:デジカメ / コンデジ / 高級コンデジ / GR / GX200】

カメラの種類と特徴を整理しよう(その2)(10/6掲載)
    【キーワード:デジイチ / デジタル一眼レフ / D300s / 7D】

カメラの種類と特徴を整理しよう(その3)(10/7掲載)
    【キーワード:デジタル一眼 / マイクロ一眼 / GF1 / E-P1】

カメラの種類と特徴を整理しよう(その4)(10/8掲載)
    【キーワード:APS-Cコンパクト / Kマウントコンパクト / X1】


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、てんとう虫。
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