唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
カメラの種類と特徴を整理しよう(その1)
デジカメ、コンデジ、デジタル一眼レフ、デジイチ、デジタル一眼、マイクロ一眼など色々な呼び方のあるデジタルカメラですが、ここに来て更に種類が増えてきそうな気配がありますから、ますます混乱してくるのではないでしょうか。そこで初心者やこれからカメラを買おうという方のために、これら色々な呼び方をされているカメラをカテゴリ毎に判り易く解説しようと云うのが今日の記事です。中・上級者、あるいはカメラにはまったく興味のない方はどうぞ読み飛ばしてください。
デジカメ
まず最初に「デジカメ」という名称について。これはデジタルカメラの短縮形ですが、一般名詞ではなく三洋電機株式会社(サンヨー)の登録商標です。ですが、サンヨーがこの「デジカメ」という言い方をサンヨー以外が使用することを制限していないことから、デジタル方式のカメラ、つまり画像の撮影と保存にフィルムを使わずに、電子式撮像素子(イメージセンサー)と記録媒体としてフラッシュメモリ(SDカードやメモリスティック、コンパクトフラッシュなど)を利用するカメラの総称として広く使われています。
なお、イメージセンサーを、デジタルカメラにおいて「フィルムの代わりの役割を果たすもの」と書いたものを見かける事がありますが、フィルムは化学変化を利用し画像を固定しかつ記録します。つまりフィルムは一人二役ですが、デジタルカメラの場合にはイメージセンサーと記憶媒体の2つが役割を分担してフィルムの代わりとしていると云うことになります。
コンデジ
コンパクトタイプのデジタルカメラの事を指す言葉で、一つのカテゴリともなっています。「デジカメ」と云った時にはこのコンデジを指すのが一般的なようです。大きさは、その名の通りシャツのポケットにも入るほどコンパクト。最も普及しているタイプで、もはや一人に1台ほども普及しているのではないでしょうか。撮影する映像はカメラの背面(撮影者側)にある2.5~3インチの液晶ディスプレイで確認することが出来、これがファインダーの代わりになります。撮影後の映像もこのモニターですぐに確認することが出来るのはご存知の通りです。
各メーカーから何種類も出ていて選択に困るほどですが、どれを選んでも似たようなもの。好きなメーカーの好きなデザインのものを選んで特に問題はありませんが、半年に一度モデルチェンジしますのですぐに旧型になってしまいます。ただし、基本的な性能はもはや完成に域に達していますからがっかりする必要はありません。「顔認識」や「スマイルシャッター」「綺麗肌」と云った新しい機能が真っ先に導入されるのがこのタイプのカメラです。
もうちょっと詳しく:1/2.5インチ型のイメージセンサーを持ち、レンズは3~5倍程度のズームレンズ。画素数は800~1200万、価格は2~3万円台程度と云うのが標準的なスタイル。なお、レンズはボディ本体に固定されており、交換することはで来ません。
高級コンデジ
一般的なコンデジが高くても3万円台なのに対して5~6万円程度のコンデジを高級コンデジと呼ぶことがあります。Nikon(ニコン)のCoolPix P6000、キヤノンのPowerShot G11、Ricoh(リコー)のGR Digital III、GX200などが代表的な機種。何が高級なのかと云うと、一般的なコンデジよりも良い(高級な)レンズが付いています。この「良い」と云う意味は高倍率のズームレンズと云う意味ではなく高解像度のレンズと云う意味で、高解像度を高画質と云い替えると判りやすいでしょうか。
またイメージセンサーも1/1.8インチ型程度とコンデジよりも若干大きなサイズのものが使用されていますが、これによって圧倒的な高画質が得られると云う程ではありません。イメージセンサーからの情報を処理するコンピュータ(これを「画像処理エンジン」と云います)にも一般的なコンデジよりも性能の良いものが使われていることも高画質に貢献しています。コンデジよりも多少大型かつ重たくなりますが、操作性はその分向上しています。
もうちょっと詳しく:高解像度のレンズとは、小さな物まで判別でき(1mmの中に書かれた線を何本まで判別できるか等で判定されます)、明るく(F値(数字)が小さい)、歪曲収差(画面の歪み)や色収差(色の滲み)が少なく、フレアやゴーストと呼ばれる不必要な光の進入が少ないレンズを云います。高解像度の代償は少なくなく、解像度の高いレンズは大きく重たく高価になります。
コンデジ同様レンズを交換することはできませんが、「ワイドコンバージョン」「テレコンバージョン」と呼ばれ、本来のレンズの前に装着することにより、より広角に、より望遠になるレンズや、外付けの光学式あるいは電子式のファイダーなど、マニアの心をちょっとくすぐる(だけの)オプションが用意されているのがこのクラスの特徴です。
さて、今日はここまで。明日は「デジイチ」と呼ばれることもある「デジタル一眼レフ」について書く予定です。
「カメラの種類と特徴を整理しよう」シリーズ、掲載予定
■ カメラの種類と特徴を整理しよう(その1)(この記事)
【キーワード:デジカメ / コンデジ / 高級コンデジ / GR / GX200】
■ カメラの種類と特徴を整理しよう(その2)(10/6掲載)
【キーワード:デジイチ / デジタル一眼レフ / D300s / 7D】
■ カメラの種類と特徴を整理しよう(その3)(10/7掲載)
【キーワード:デジタル一眼 / マイクロ一眼 / GF1 / E-P1】
■ カメラの種類と特徴を整理しよう(その4)(10/8掲載)
【キーワード:APS-Cコンパクト / Kマウントコンパクト / X1】
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、恩田の森の稲刈り途中の田んぼ。手押し式の刈り取り機で刈り取っているのですが、「はさ架け」をする竿を立てる前に休憩の為に家に戻ったようですね。