唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
RICOH GXR登場
予てよりの噂通り、昨日、リコーから新しいミラーレスデジタルカメラが発表された。このカメラに対してはカメラ・写真ファンの多くが並々ならぬ関心を持っていたことは間違いない。昨日、このblogに対する検索ワードの上位20件の内14件が「リコー / ミラーレス」(同義語を含む)であったこともそれを証明しているが、果たしてそれら多くのファンにGXRは応えるとこができるのか、うぅぅん、郷秋<Gauche>はちょっと心配だぞ。
GXRのスペシャルサイトはこちら。
ちなみにこのリコーの新しいカメラの名前を郷秋<Gauche>は「GRX」だと早とちりした。GRXではなくGXRである。リコーの中での位置づけは、GR Digital系ではなく、GX(200)系だということである。ただしレンズユニットは「GR LENS」と「RICOH LENS」の二つが存在する。
昨日、4/3Rumorsに書かれていた、
Ricohs camera system will start with two “lenses”, one prime, one zoom. The prime has 33mm real focal length, the zoom 5.1-15.3mm.
について、「問題はzoom 5.1-15.3mmである。これがreal focal lengthであるなら明らかな間違いである。この数値はGX200のそれそのものである。GX200のイメージセンサーは1.7型だからreal focal length を4.7倍すると35mm相当の焦点距離、つまり24-72mmとなる。明日登場だと云われているリコーの新型がAPS-Cセンサーなら7.7-23mm相当となるわけで、こんな焦点距離の標準ズームレンズは有り得ない。」と書いたが、このreal focal length 5.1-15.3mmのズームレンズは事実であった。
暫く前からリコーのミラーレス機(GRXのことだ)はレンズとイメージセンサーが一体化されていると云う噂が流れていた。果たしてデジタルカメラの中で最もコストがかかる部分の一つであるイメージセンサーをレンズと一体化し、レンズ購入と同時に毎回これをユーザーに負担させることは有り得ないだろうと郷秋<Gauche>は考えていたのだが、有り得たんだな、これが。しかしだ、まさかレンズ毎にイメージセンサーのサイズを変えて、更にレンズとイメージセンサーに最適化された画像処理エンジンまで内臓して来るとは想像もしなかったぞ。
郷秋<Gauche>が考えるに、この「イメージセンサー・画像処理エンジン一体型レンズ」の最大のメリットは、レンズの光学特性の最適化である。これまでのレンズ交換式カメラの場合には、フランジバック(カメラボディのレンズマウントから撮像素子(フィルムやイメージセンサー)までの距離)が定められている為に、本来もっと小さく設計できるはずのレンズであっても規格通りのフランバックを確保する為に大きくなってしまったこともあっただろうし、光学的に無理が生じたこともあったことだろ。
GXRのようにイメージセンサー一体型レンズとなると、設計するレンズの焦点距離に合わせてセンサーの位置を自由に設定することができる。規格通りのるフランジバック寸法を確保する為だけに存在した幾枚かのレンズが必要なくなる可能性だってあるはずだ。しかし、こんな事はフィルムの時代には絶対考えられないわけで、それをデジタル時代になっても延々とカメラ各社は引きずって来た。それの呪縛をGXRで断ち切ったリコーは大いに賞賛されるべきである。
賞賛されるべきではあるが、これまで誰も考えなかった(考えた人がいたかも知れないが製品化はされなかった)イメージセンサー・画像処理エンジン一体型交換レンズが、マーケットで受け入れられるかどうかは、また別な問題である。何せ、本体に比してレンズユニットの価格がやけに高いのである。
カメラ本体のyodobashi.com価格45,400円(ポイント分差し引き済み、以下同)に対して50mm F2.5 MACROが67,320円、24-72mm F2.5-4.4が35,820円。GX200(43,020円)とほぼ同等の性能となると思われる本体+24-72mm F2.5-4.4 VCが81,220円である。GX200と同等の性能のカメラの為に倍の「福沢諭吉」を用意する人がどれほどいるのか、郷秋<Gauche>には疑問だな。
さて、実はリコーがGXRで提起した大きな問題が一つある。それは、これまでのレンズ交換型カメラで云われていた、「カメラ本体」と「交換レンズ」と云う言い方がこれまで通りで良いのかと云うことである。カメラ本体と云う言い方は、こちらの方が「本体」つまり写真を撮る上で最も重要なものであり、レンズは(勿論レンズがなければ写真は撮れないのだが)カメラの付属品、カメラに従属するべきものと云う考え方が基本にある。
しかし、今回リコーが発表した「GXRシステム」は、この従前の考え方を大きく変えるだけの力を秘めている。つまりデジタルカメラにとって、最も重要なものはイメージセンサーと画像処理エンジンであり、この二つをレンズ側に内蔵したGXRシステムの交換レンズ「ユニット」はこれ自体がデジタルカメラ「本体」であり、従来「本体」と呼ばれていた部分は単なる操作・表示部でしかないと云うことになる。
いますぐ「カメラ本体」と「交換レンズ」と云う言い方が変わるとは思わないけれど、デジタル時代のカメラにとって、何が一番大切な部分なのかと云うことを考えるきっかけをリコーのGXRが与えてくれていることは確かだな。
例によって記事本文とはなんの関係もない今日の一枚は、3日から続いている「建物の表情」の9作目。建築物の魅力には色々あるけれどこれまでご覧頂いたものと同様、建物のグラフィカルな面白さだけを切り取った写真です。そろそろ飽きてきたかも知れませんが、もう少しだけお付き合いください。
☆☆☆
昨日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
恩田Now
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ちなみにこのリコーの新しいカメラの名前を郷秋<Gauche>は「GRX」だと早とちりした。GRXではなくGXRである。リコーの中での位置づけは、GR Digital系ではなく、GX(200)系だということである。ただしレンズユニットは「GR LENS」と「RICOH LENS」の二つが存在する。
昨日、4/3Rumorsに書かれていた、
Ricohs camera system will start with two “lenses”, one prime, one zoom. The prime has 33mm real focal length, the zoom 5.1-15.3mm.
について、「問題はzoom 5.1-15.3mmである。これがreal focal lengthであるなら明らかな間違いである。この数値はGX200のそれそのものである。GX200のイメージセンサーは1.7型だからreal focal length を4.7倍すると35mm相当の焦点距離、つまり24-72mmとなる。明日登場だと云われているリコーの新型がAPS-Cセンサーなら7.7-23mm相当となるわけで、こんな焦点距離の標準ズームレンズは有り得ない。」と書いたが、このreal focal length 5.1-15.3mmのズームレンズは事実であった。
暫く前からリコーのミラーレス機(GRXのことだ)はレンズとイメージセンサーが一体化されていると云う噂が流れていた。果たしてデジタルカメラの中で最もコストがかかる部分の一つであるイメージセンサーをレンズと一体化し、レンズ購入と同時に毎回これをユーザーに負担させることは有り得ないだろうと郷秋<Gauche>は考えていたのだが、有り得たんだな、これが。しかしだ、まさかレンズ毎にイメージセンサーのサイズを変えて、更にレンズとイメージセンサーに最適化された画像処理エンジンまで内臓して来るとは想像もしなかったぞ。
郷秋<Gauche>が考えるに、この「イメージセンサー・画像処理エンジン一体型レンズ」の最大のメリットは、レンズの光学特性の最適化である。これまでのレンズ交換式カメラの場合には、フランジバック(カメラボディのレンズマウントから撮像素子(フィルムやイメージセンサー)までの距離)が定められている為に、本来もっと小さく設計できるはずのレンズであっても規格通りのフランバックを確保する為に大きくなってしまったこともあっただろうし、光学的に無理が生じたこともあったことだろ。
GXRのようにイメージセンサー一体型レンズとなると、設計するレンズの焦点距離に合わせてセンサーの位置を自由に設定することができる。規格通りのるフランジバック寸法を確保する為だけに存在した幾枚かのレンズが必要なくなる可能性だってあるはずだ。しかし、こんな事はフィルムの時代には絶対考えられないわけで、それをデジタル時代になっても延々とカメラ各社は引きずって来た。それの呪縛をGXRで断ち切ったリコーは大いに賞賛されるべきである。
賞賛されるべきではあるが、これまで誰も考えなかった(考えた人がいたかも知れないが製品化はされなかった)イメージセンサー・画像処理エンジン一体型交換レンズが、マーケットで受け入れられるかどうかは、また別な問題である。何せ、本体に比してレンズユニットの価格がやけに高いのである。
カメラ本体のyodobashi.com価格45,400円(ポイント分差し引き済み、以下同)に対して50mm F2.5 MACROが67,320円、24-72mm F2.5-4.4が35,820円。GX200(43,020円)とほぼ同等の性能となると思われる本体+24-72mm F2.5-4.4 VCが81,220円である。GX200と同等の性能のカメラの為に倍の「福沢諭吉」を用意する人がどれほどいるのか、郷秋<Gauche>には疑問だな。
さて、実はリコーがGXRで提起した大きな問題が一つある。それは、これまでのレンズ交換型カメラで云われていた、「カメラ本体」と「交換レンズ」と云う言い方がこれまで通りで良いのかと云うことである。カメラ本体と云う言い方は、こちらの方が「本体」つまり写真を撮る上で最も重要なものであり、レンズは(勿論レンズがなければ写真は撮れないのだが)カメラの付属品、カメラに従属するべきものと云う考え方が基本にある。
しかし、今回リコーが発表した「GXRシステム」は、この従前の考え方を大きく変えるだけの力を秘めている。つまりデジタルカメラにとって、最も重要なものはイメージセンサーと画像処理エンジンであり、この二つをレンズ側に内蔵したGXRシステムの交換レンズ「ユニット」はこれ自体がデジタルカメラ「本体」であり、従来「本体」と呼ばれていた部分は単なる操作・表示部でしかないと云うことになる。
いますぐ「カメラ本体」と「交換レンズ」と云う言い方が変わるとは思わないけれど、デジタル時代のカメラにとって、何が一番大切な部分なのかと云うことを考えるきっかけをリコーのGXRが与えてくれていることは確かだな。
例によって記事本文とはなんの関係もない今日の一枚は、3日から続いている「建物の表情」の9作目。建築物の魅力には色々あるけれどこれまでご覧頂いたものと同様、建物のグラフィカルな面白さだけを切り取った写真です。そろそろ飽きてきたかも知れませんが、もう少しだけお付き合いください。
昨日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
恩田Now
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