現代自動車、日本から撤退

 今日、韓国最大手自動車メーカーである現代自動車(ヒュンダイ)が日本での乗用車販売から撤退することを発表した。

 ヒュンダイは2000年に日本法人を設立し日本市場に参入したが最も売れた2004年でも2500台、10年間の累計でも15000台と苦戦が続きついに撤退と相成った。月刊誌NAVIによれば当社はTB、i30、i30cw、ソナタ、クーペ、グレンジャー、JMの7車種を日本で販売していることになっているが、オフィシャルサイトで確認したところi30、i30cw、グレンジャー、JMの4車種のみが掲載されていた。TBとソナタそしてクーペはどこに行ってしまったのだろうか。

 アメリカ車が憧れの的であった時代もあったが、恐竜のようにただ馬鹿でかいだけ(と云っては恐竜に失礼か)のアメリカ車は今の日本市場では既に絶滅し、日本で売れる輸入車はヨーロッパ車のみである。韓国車は売れない。将来、中国車が日本に進出したとしても、売れない。もっとも、世界一商売が上手いと云われる中華民族が、売れないことがわかっている日本に進出するとも思えないが。

 なぜ売れないかと云えば、韓国・中国メーカーにはブランド力がないからである。ではブランド力とは何かと云えば、一言で言えば「他者に対する優越感」。「私はあの人よりも良い物(高価なもの)を持っている」と云う優越感である。だから、安い韓国車や中国車は日本では売れない。日本においては高価=良い物と信じられているのである。

 品質がそこそこで、それで安ければ売れるアメリカの市場と日本の市場は根本的に違うのである。アメリカ市場に進出した30年、40年前の日本車は、そこそこ良くて安かったからアメリカで大いに受け入れられ、そして今の地位を築いた。世界第6位のヒュンダイは確かにアメリカ市場では受け入れられ伸びてきたのだが、残念ながら日本では売れないんだな。ブランド力がないから。

 ブランド力は一朝一夕にして出来るものではない。トヨタのレスサスだってホンダのアキュラだって、30年、40年かけて作り上げた信頼の上にようやく成り立ち得たブランドである。それじゃ、30年、40年後の韓国車や中国車が日本において「ブランド」となりうるかと云えば、答えは「否」である。

 なぜなら、千数百年もの長い年月をかけて形作られた日本人の舶来信仰(初期の舶来信仰は中国、朝鮮に対するものだったはずだが)、イコール、ヨーロッパ至上主義はそう簡単には変わらないからである。ヨーロッパ至上主義はヨーロッパに対す日本人のコンプレックスを裏返したものであり、同時にヨーロッパ以外の国々、具体的には中国や韓国に対する優越感を現してもいる。

 ヨーロッパ(及び北米)人に対する劣等感と、それを裏返した形での中国人・韓国人(及び他のアジア諸国)に対する優越感。この外国人に対する捩れた感情を日本人が捨て去ることができる時が来るまで(来ないかも知れないのだが)、つまり、日本が真の国際化を果たすときまで、ヨーロッパ車だけが売れて韓国製・中国製のクルマは売れないという構図は変わらないだろと郷秋<Gauche>は思う。


 今日の一枚は例によって記事本文とは何の関係もない、すみよしの森のモミジ。まぁ、こんな風に色と形の面白みだけを狙って撮ると、どこで撮ったかということはまったく関係がなくなってしまう。と云うことは、紅葉の名所まで時間とお金をかけて出かけなくても近所の公園ででも紅葉は撮れると云うことになる。って、それを言っちゃぁお仕舞いよ、と云うところだろうか。

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