ソニー+オリンパス=?

 オリンパスが、粉飾決算事件発覚後の業績低迷から大手企業との資本提携を模索していたのは周知の事実。これまでいくつもの企業の名前があがっていたが、いよいよ今度はその本命との提携交渉が最終段階に入ったとのNHKの報道(see here)。

 これまで、カメラ関係の企業では、リコーや富士フィルムの名前があがっていたがNHKの報道によれば、その本命はソニーだとの事。500億円程度の資金を導入した上で、オリンパスが得意な内視鏡分野にソニーの画像処理技術を導入して更に強化したい意向のようである。

 カメラ部門では、部品の共同開発を進める方針だと報じられている。現段階ではカメラやレンズそのものの共同開発には触れられてはおらず、資本提携が実現しても直後のオリンパスのカメラ事業の大幅な見直し、つまりラインナップの整理・統合あるいは改編は避けられるようだ。

 しかしだ、近い所ではリコーとペンタックスの関係のように棲み分けが出来れば良いのだが、ソニーとオリンパスはそうはいくまい。まずコンパクトタイプはまったくの競合関係にあるから、遅かれ早から一本化される運命だろう。ノンレフレックスは、ソニーのNEXシリーズがAPS-Cサイズのイメージセンサー、オリンパスがM4/3規格を採用する違いがあるにはあるが、ユーザーがこの違いを判っていてソニーあるいはオリンパスを選んでいるとは思えず、このカテゴリも競合関係にあると見て良いだろう。

 ただし、オリンパスには既に確立され高い評価を得ているブランド、「PEN」がある。このブランド力は、ソニーのNEXがいくら背伸びしても追い付くものではない。それはソニーとしても認めざるを得ない事実であり、「PEN」ブランド葬り去ることは得策とは思えない。つまり、競合関係でありながら、NEXとPENは共に存続することになるだろう。

 さて、問題は一眼レフである(ソニーのαシリーズを「レフ」と呼んで良いのかどうか、疑問はあるが)。ソニーはAPS-Cを中心として最上級機種にのみフルサイズのイメージセンサーを搭載している。一方オリンパスのDSLRは全て4/3。このカテゴリでもノンレフレックス同様ソニーとオリンパスは競合関係にある訳だが、オリンパスのシェアが極々小さなものであることから、経営の効率化を考えれば遠からず撤退せざるを得ない状況だろうと思われる。

 つまりだ、資本提携後のオリンパスのカメラは、PENシリーズのみが生き残ることになると云うのが郷秋<Gauche>の見立てであるが、さて、どうなることやら。

お詫び:初出時に、オリンパスの一眼レフが「APS-Cである」と間違った記載をいたしておりました。4/3であることは判っていたはずなのに、とんだ間違いをしてしまったものです。お詫びとともに、当該部分をリライトしたことをお知らせいたします。なお、「遠からずオリンパスがDSLR部門から撤退せざるを得ない状況だろうと思われる」と云う郷秋<Gauche>の見方に変りはありません。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、昨日恩田の森で出合った雨蛙。「早く降ってくれないと干からびちゃうよ」とぼやいていた。

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