唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
ゴルフVII登場
1974年の初代登場以来、Cセグメント(コンパクトカー)のベンチマークとして君臨し続けているフォルクスワーゲン・ゴルフの最新型、ゴルフVIIがベルリンで発表された。
先代のVIの登場が2008年だからわずか4年で新型の登場とは、長寿が常のゴルフにしては大きな驚きである。調べてみると初代は9年、二代目8年、三代目と四代目が6年、五代目が5年と、国産車よりも長いモデルライフを保ちながら進化し続けてきたゴルフだが、六代目は国産車並みの4年で七代目にバトンタッチである。
注:モデルライフは次モデル登場までの年数。初代のカブリオレは三代目登場後の1992年まで、何と18年と云う長いモデルライフを全うした。
こうして数字を並べてみると、初代と二代目の長寿が目を引く。優れた基本設計によりフルモデルチェンジなしの進化が可能だったとも云えるが、技術革新のテンポや社会的要求と云った背景がそれを可能にしたとも云えるだろう。
六代目が取り分け短命となったのは、環境問題中心とした社会的要求が急激に高まっていることが大きいものと思われるが、それ以上にプラットフォーム、エンジン等多くを五代目からキャリーオーバーした、実は五代目半であったことが最大の理由と云っても良いだろう。つまり、六代目(実は五代目半)は五代目とほとんど同じと云っても良かった訳だが、だからこそ今回登場の七代目は大きな進化を遂げているようである。
プラットフォームが新たに設計された「MQB」となり、パワートレインも基本形式は五代目の途中から登場した小排気量L4に過給機を装着したTSIが中心だが、新しい1.4TSIは低負荷時に2気筒を休止する「アクティブ シリンダー マネジメント(ACT)」を搭載するなどで燃費が16.6km/Lから20.8km/Lへと向上するなど大幅にリファインされている模様。
多くの量産車はモデルチェンジの度にボディ肥大化の一途を辿っているが、七代目ゴルフも御多分に洩れず全長が56mm、全幅が13mm拡大し、それぞれ4255mm、1799mmとなっている(全高のみが28mm低められ1452mm)。しかし驚くべきはその車重で、ボディの大型化にも関わらず最大100kgの減量を達成していると云う。この減量も燃費向上に貢献していることだろう。
五代目以降、コンパクトと云うには余りにも大きくなり過ぎているし、七代目のコックピットはMやBの付くクルマにも引けを取らない程豪華に見え、これもまたゴルフがコンパクトの枠からはみ出しているように思えてならない理由である訳だが、新しくなっても、100メートル先からでもゴルフ以外のクルマには見えないボディ・デザイン、アイデンティティはたいしたものであるなぁと、感心しきりの郷秋<Gauche>である。
今日の一枚目は、車山高原の駐車場に佇む2000ccのFSIエンジンを搭載したゴルフV。これがVIIに変る可能性はあるのか?