唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
α99はSLRか?
数日前に、あるお方からソニーのトランスルーセントミラー・テクノロジーについてのお前の分析を聞きたいとのリクエストを頂いておりましたが、ゆっくり書いている時間がありませんでした。ようやく今日の昼休みにバタバタと打ち込み、ざっと推敲し(誤字脱字がかなり残っていることと思います)、身内専用の掲示板に掲載しましたが、せっかく書いたので「もったいない」とばかりに自分のblogの方にも掲載することにいたしました。「手抜き!」との突っ込みはご遠慮くださいますよう、平にお願い申し上げます。以下、本文。
ソニーのトランスルーセントミラー・テクノロジーの詳細については
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/interview/20101025_398999.html
を参照ください。
ようするに通常のSLRにおける可動式(跳ね上げ式)のレフレックスミラーを固定式の半透過(ハーフ)ミラーにしたカメラです。多分。
このような形式のレフレックスミラーを持ったSLRは過去にキヤノンではキヤノンペリックスやEOS RTなど、ニコンではF3Hの例がありますが、これらのファインダーはいずれも旧来からの光学式でした。近頃登場したソニーのトランスルーセントミラー・テクノロジーはファインダーを電子方式(電子ビューファインダー、EVF)としているのが新しいところです。
同時に、ハーフミラーで上方(従来のSLRであればペンタプリズムがある位置)に導かれた画像は高度に制御されたAFのために利用される(電子ファインダーの為の画像情報は、ハーフミラーの後ろにあるイメージセンサーから導かれる)のも新しい技術です。
さて、ソニーのトランスルーセントミラー・テクノロジーを用いたα99のようなカメラをSLR(一眼レフ)と呼べるかと云う問題ですが、その為にはまずSLRの定義を確認する必要があります。
日本語の「一眼レフ」は ”Single-lens reflex camera” を直訳したもので、「一眼(二眼でないと云う意味)で、(ファインダースクリーンに結像させる為の)反射鏡を持ったカメラ」と云う事になりますが、問題は括弧書きした「ファインダースクリーンに結像させる為の」です。本来であれば ”Single-lens reflex for finder screen camera” でなければならないのに、これまでの技術では、ファインダーは光学式以外の選択肢がないために、当然のことである ”for finder screen” が省略され ”Single-lens reflex camera” となったものと考えられます。
“for finder screen” が省略されてはいるけれど、SLRが ”Single-lens reflex for finder screen camera” の頭文字を取ったものだ主張するならば、α99は一眼レフではないことになります。
一方、SLRはあくまでも “Single-lens reflex camera” の省略形で、”reflex mirror”(正しくは Reflecting mirrorか)があれば、反射された画像の利用形態如何に関わらずSLRだと云う主張に基づけば、α99は一眼レフであると云うことになります。
私の立場は前者で、SLRは ”Single-lens reflex for finder screen camera” の省略形であり、あくまでも反射鏡による光学系ファインダーを持つものが「正統派」一眼レフであると云うものです。が、「正統派」ではないけれど、α99等トランスルーセントミラー・テクノロジーを用いたカメラが、現代的一眼レフの一形式であるとする主張があるならば、それに対しても一定の理解を示す余地は持ち合わせているつもりでおります。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、季節の花コスモス。今年こそは昭和記念公園で咲いていると云う黄色いコスモスを撮りに行きたいと思っているのですが、果たして叶うでしょうか。