玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

菅創吉展を終えて

2008年07月18日 | 日記
 越後タイムス社主催の「菅創吉展」を盛況裡に終えることができた。来館者は市内よりも新潟市や上越市の方が圧倒的に多く、“菅創吉の作品を県内の人に知ってもらいたい”という主催者の目的を果たすことができた。
 すごく嬉しかったのは、展覧会を見てくださった方々の濃密な反応にあった。市外からの来館者は、自分でも絵を描く人が多く、そんな方々の強いリアクションが収穫だった。「自分がやっていることが恥ずかしくなった」とまで言う人もいた。「個展を開こうと思っていたが、自信がなくなった。もう一度出直したい」と言う人もいた。
 「こんなすごい絵見たことがない」「技法を盗んで帰りたいが、できそうもない」などの感想をいただいた。なかには“なんで柏崎で菅創吉展を開くことになったのか”、不思議に思われる人もいた。
 出会いである。それに尽きる。こんな幸運はまたとないのかも知れない。菅作品を所蔵する「すどう美術館」の須藤館長と親しい、元NHKカメラマン・高橋章氏の存在がなければ、「菅創吉展」は実現できなかった。
 今回の展示は、菅の作品と出会って、大きく人生を変えてしまった、小田原の「すどう美術館」の監修による。館長の須藤一郎さん、副館長の須藤紀子さんの誠実な人柄に畏敬の念を覚えた。無私の心でひたすら自分の眼を信じて、絵を愛することの大切さを教えていただいた。
 越後タイムス社と「すどう美術館」との絆ができた。来年も何かやれるかも知れない。須藤さんの御厚意で、菅創吉の作品を数点、しばらくお借りすることになった。「游文舎」のアートライブラリーに懸けてあるので、是非ご覧いただきたい。

越後タイムス7月5日「週末点描」より)


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