弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

LAW&ORDERシーズン19にみるアメリカ、価値感の混乱

2012年01月26日 | Law&Order

最近のLaw&Orderの検事(AD)の活動には混乱がしばしばです。
15回も検察側敗訴に終わりました。

13はタイムズスクウエアーの爆弾事件、14はラプチャー・ドット・コム、
15はウォール街に発したグーローバル金融危機にそれぞれ刺激を受けて
製作されたということです(アメリカの放映は2009年1から3月)。

15回でもそうですが、実際に殺人事件が起こっている、どう考えても
被告人が犯人ですが、
普通の人たちにとっては、被害者(破たんした会社のCEOの恋人で、
全身ブランドを身にまとう)よりは加害者がより身近です。
若者の更生のために働いている人、語る夢は実現しないとはいっても
若者に夢を与えていることは事実です。
破綻した企業の幹部の慰安旅行1回で25万ドルも使いながら、若者の夢のために
20万ドルの寄付はできないというのは、
やはり庶民には納得できないことです。

陪審員が被告人に同情し、無罪の評決を出すのは、やむを得ないことなのかも
しれません。
客観的に何が事実で何が真実かなどどうでもいいのです。
自分たちにとって、何が納得でき、できないか、ということなんですね。
犯罪という場面でも。

検事たちの目指す正義と、日々の生活で虐げられていると思う庶民のみる正義
は違うということなのでしょう。

実際、世界の動きをみていると、置かれている立場で、良いとか悪いとか
いうことは違っているようです。

アメリカでは、富の偏在が甚だしいようです。
それでも、景気が良く、仕事があれば、不満を抑えることができるでしょうが、
一向に光はみえてきません。
さすがのカッターも椅子に倒れ込んでいきます。
きっと絶望のようなものを感じているのでしょうか。

今年の大統領選挙は共和党が挑戦者ですが、ミット・ロムーニーが
なかなか勝てないのは、彼自身、成功者であり、大金持ちだからと
言われています。
確かに、力のあるもの、金のあるものの腐敗は、目に当てられないものが
あります。
庶民がそれに激しい憤りを感じるのは当然です。

日本の現状をみても同じようなことが起こっているようです。
東電の無責任ぶりにはあきれ果ててしまいます。
それにも関らず、値上げをして、被害者である消費者に責任転嫁です。
損害賠償も結局は税金につけが回るだけでしょう。
公共事業だからつぶすわけにはいかないというわけです。

世の中は、どういう方向に向かっているのでしょうか。
考えさせられてしまいました。

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ビルの受付のお花です。グラジオラスがあるというのですが、
ちょっとわかりません。元気になりますかしら?