弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

ギリシャ債務支払約束に関して思うこと

2015年04月07日 | 日記

ギリシャがIMFに今週期限を迎える返済分につき履行する旨確約したとのこと。
ロイターニュースによる

どうなっているのかわかりませんが、EU離脱になるようなことは
難しいのではないかと思う。

今回のイタリア旅行でポンペイ遺跡の秘儀荘はコースに含まれておらず、
数日前に修復を終え、リオープンしたばかりのフレスコ画をみるチャンスはなかったが、
修復費用に関する情報は興味深いものだった。
ポンペイの遺跡は火山灰に埋もれていたので、約2千年前の当時のまま見つかった
わけであり、発掘されるや管理の問題が生じることになった。
管理ミスや怠慢による劣化についての修復の費用であるが、ポンペイ遺跡の場合、
EUが資金を提供しているとのことであった。
イタリアのことであり、修復工事はなかなかすすまない。
EUは今年末までに10500万ユーロを使うように、もしできない場合は全額返還する
よう命令していたということ、あわせてユネスコも文化遺産登録を取り消すと脅していた
ということである。

こういう脅しもあり、ようやくデッドラインを守り、秘儀荘のリオープンの運びとなったという
ものであった。

またイタリアのことであるから、マフィアに不当利得させないようEU監視のもと、修復プロジェクト
に関する特別の機関が作られていたとのことである。

さらに修復工事のため85人の雇用があり、20万人のヴィジター増の効果もあったとのこと。

EUがここまで関与しているとすると、ギリシャも観光収入は国家収入の大きな部分を
占めていることは明らかである。ギリシャがこのような資金援助を受けているか
どうかは不明であるが、EUを離脱すると今問題の債務問題だけでない大きな影響が
出るのではないかと容易に推測される。
またギリシャも腐敗問題のこともあるので、今後のことを考慮するなら、EUに留まって
再建を図るのが賢明というか、それしかないのではと思われる。

EU離脱候補としてギリシャ以外にスペイン、イタリアが挙げられるが、ギリシャはいずれの
国からも同情を得られないというのは、このような事情もあるのではと思うのであるが・・・