(2007年の生活支援研究会ニュースより転載)
入院問題について
野橋順子
障害者が入院すると在宅で使えていた介助制度が使えなくなる。苦しい現実をかかえながら、重度障害者は安心して入院もできない状況。入院したら制度が使えない分、介助料は全部自己負担になる。1時間あたりの介助料を1200円として1ヵ月入院したら、交通費のぞいても約86万ものお金がかかる。こんな膨大な介助料を払えるわけがない。しかもその間事業所から派遣しても、事業所収入にはならない。そこまで親身になる事業所はない。いい事業所ほどしんどくなる。いつも重度障害者の人が入院すると障害者の人も事業所も困ってしまう。腹立たしい思いを行政になげかけていた。でも行政がいう所の入院中の介助は医療とのからみがあるので、看護師とかが介助するのが決まりですとの事でずっと話が平行線だった。簡単に障害者の介助ができるわけがない。行政は障害者の介助を簡単にできるものだと思い、なめていると思う。私は怒りを抱えながら仲間達と交渉していた。今回神戸市が出してきたのはコミュニケーション支援。あくまでも介助ではなく、言葉が通じにくい事に関する制度だと言っていた。入院中に介助が必要である看護師では介助できない現状を認めない事はおかしい。でも制度の突破口としては制度ができる事はうれしい。私は忘れてはいない。入院してお亡くなりになった障害者のYさんがどんなに入院中の介助料とかで気にしていたか。自分の身体もしんどかっただろうに入院中の制度があったらどれだけ安心できたか。みんなと同じように安心して、治療だけに専念できるようにしてほしい。実際に介助料が心配で身体がよくなっていないのに早期に退院する障害者の人もいる。これは障害者の命に関わる問題だと思う。今回神戸市が制度を作ってくれた事に関しては評価している。実際の内容は、1ヶ月の上限150時間。入院してから1日目~3日目まで 1日10時間。4日目以降から1日5時間が基本原則で支給できる範囲。対象者は重度訪問介護受給者区分6の人。認定調査項目で両上肢にマヒがある事。意志伝達がときどきできるか、ほとんどできないこと。家族介助者がいないことなどを神戸市側が発表してきた。この制度の対象者として神戸市は重訪対象者(区分6?)400人からわりだして時間数を計算したと言ってきた。しかし、そんなにたくさん対象者はいないはずだ。本当に必要な人に必要なだけ時間数をわたすべきだ。神戸市側は、対象人数をどうイメージしているかわかるように言ってくれない。みんなでブーイング。最後にはみんなで入院の状況と対象を説明して10人ぐらいですねと神戸市に言わせた。しかし最後まで、神戸市側としては、24時間入院中の介助制度の保障は今考えていないという事で原則10時間ラインはくずさなかった。10月に施行されるコミュニケーション支援どうなることやら。今後も交渉あるべし。
入院問題について
野橋順子
障害者が入院すると在宅で使えていた介助制度が使えなくなる。苦しい現実をかかえながら、重度障害者は安心して入院もできない状況。入院したら制度が使えない分、介助料は全部自己負担になる。1時間あたりの介助料を1200円として1ヵ月入院したら、交通費のぞいても約86万ものお金がかかる。こんな膨大な介助料を払えるわけがない。しかもその間事業所から派遣しても、事業所収入にはならない。そこまで親身になる事業所はない。いい事業所ほどしんどくなる。いつも重度障害者の人が入院すると障害者の人も事業所も困ってしまう。腹立たしい思いを行政になげかけていた。でも行政がいう所の入院中の介助は医療とのからみがあるので、看護師とかが介助するのが決まりですとの事でずっと話が平行線だった。簡単に障害者の介助ができるわけがない。行政は障害者の介助を簡単にできるものだと思い、なめていると思う。私は怒りを抱えながら仲間達と交渉していた。今回神戸市が出してきたのはコミュニケーション支援。あくまでも介助ではなく、言葉が通じにくい事に関する制度だと言っていた。入院中に介助が必要である看護師では介助できない現状を認めない事はおかしい。でも制度の突破口としては制度ができる事はうれしい。私は忘れてはいない。入院してお亡くなりになった障害者のYさんがどんなに入院中の介助料とかで気にしていたか。自分の身体もしんどかっただろうに入院中の制度があったらどれだけ安心できたか。みんなと同じように安心して、治療だけに専念できるようにしてほしい。実際に介助料が心配で身体がよくなっていないのに早期に退院する障害者の人もいる。これは障害者の命に関わる問題だと思う。今回神戸市が制度を作ってくれた事に関しては評価している。実際の内容は、1ヶ月の上限150時間。入院してから1日目~3日目まで 1日10時間。4日目以降から1日5時間が基本原則で支給できる範囲。対象者は重度訪問介護受給者区分6の人。認定調査項目で両上肢にマヒがある事。意志伝達がときどきできるか、ほとんどできないこと。家族介助者がいないことなどを神戸市側が発表してきた。この制度の対象者として神戸市は重訪対象者(区分6?)400人からわりだして時間数を計算したと言ってきた。しかし、そんなにたくさん対象者はいないはずだ。本当に必要な人に必要なだけ時間数をわたすべきだ。神戸市側は、対象人数をどうイメージしているかわかるように言ってくれない。みんなでブーイング。最後にはみんなで入院の状況と対象を説明して10人ぐらいですねと神戸市に言わせた。しかし最後まで、神戸市側としては、24時間入院中の介助制度の保障は今考えていないという事で原則10時間ラインはくずさなかった。10月に施行されるコミュニケーション支援どうなることやら。今後も交渉あるべし。