ゴエモンのつぶやき

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障害理由の差別解消なるか 6月に法成立

2013年08月16日 01時50分39秒 | 障害者の自立




 小学生の男児がいる愛知県の女性は、男児の入学で差別を感じた。


 男児は生まれつきの重い心臓病。配慮は必要だが、地元の学校に通いたいと男児は望んだ。ところが就学前の健康診断の案内が届かない。学校に入学希望を伝えると、特別支援学校の名前を列挙され、暗にそちらへの入学を勧められた。


 女性が、男児の健康状態を説明しても、十分に受け入れ策を検討せず、木で鼻をくくったような回答。女性が主婦のため「付き添い可能」として、入学できたが「もし働いていたら、どうなっていたか」と憤る。


 愛知県重度障害者団体連絡協議会の辻直哉事務局長も「重度の障害児は、入学を認められても看護師不在時に親が付き添うことを求められるなど、一緒に学ぶ障壁は高い」と指摘。他の人と同じように社会で生活したいと障害者や家族が求めれば、負担が重すぎない限り、国や自治体に障害に配慮するよう義務付ける差別解消法の成立で「少しは状況が変われば」と辻さんは期待する。

 障害者団体は障害者差別を禁止する法制度を求めてきた。障害者の権利確立のため活動する団体「日本障害フォーラム」は、差別解消法成立の際、「実現に向け力を傾けてきた。感慨深い」との声明を出している。


 同法は国や自治体に、障害を理由にした差別を解消する施策をつくり、実行するよう求めている。特定の障害というだけで、のけ者にするような差別的な扱いは禁止する。


 負担が重すぎない限り障害に配慮する「合理的配慮」をしないことは差別に当たると規定。国、自治体など公的機関には合理的配慮をする義務を負わせ、民間企業には努力義務にとどめる。配慮を欠く企業などには、行政機関が助言や指導、勧告することで差別の解消を目指す。


 障害者の小規模作業所などで構成する「きょうされん」などは、より確実に差別を解消するため「民間も法的義務にすべきだ」と訴える。


 差別解消を障害者が訴えた場合は、今ある枠組みで問題の解決を図る。新たな紛争解決機関は設けない。この点も多くの関係者が課題に挙げる。


 脳性まひで、内閣府障害者政策委員会差別禁止部会の委員を務めた太田修平・障害者の生活保障を要求する連絡会議事務局長は「例えば、ハンドルで進む方向を変えるハンドル形の電動車いす。鉄道会社によっては原則、乗車拒否するなど、差別を感じる場面はまだある」と指摘。「紛争解決機関は、裁判によらず、より簡便に問題提起する、制度の核心部。抜けたのは残念」と語る。


 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の新谷友良副理事長は「法律では必要に応じて、大臣が事業者に指導、勧告できる。これが活用できるかが焦点」と指摘する。


 何が差別に当たるのかは、各省庁で定める指針に委ねる。太田さんは「障害者が何が差別かを問題提起しないとガイドラインが骨抜きになり、法律が機能しない。内容が決まるこれからが大事だ」と語る。

東京新聞-2013年8月15日

聴覚障害者五輪、韓国勢の奮闘

2013年08月16日 01時16分35秒 | 障害者の自立
 音でスタートを知らせることが出来ないため、旗を振るか光線で合図する。観客は拍手の代わりに手を振って選手を称える。ブルガリアの首都ソフィアでこのほど開かれた、聴覚障害者五輪「デフリンピック」のひとコマだ。

 1924年に始まった同大会に、韓国は85年から出場。今回は115人の選手団が参加し、金メダル19個を獲得して総合3位に入る好成績を挙げた。射撃2冠の金ギヒョン選手は、一般の国際大会でもメダルを狙えるほどの実力で、14年仁川アジア大会の出場も目指すという。障害に負けない選手たちの活躍に、心から拍手を送りたい。

 聴覚障害には先天的なものと、病気や事故などによる後天的なものがある。韓国には約28万人いる(2011年現在、言語障害含む)。

 以前、韓国出身の聴覚障害者で、英語と日本語を独学した金修琳(キムスーリン)さんの話を聞いたことがある。聴覚障害者の場合、外見では障害者とわからないため、社会の誤解や偏見にさいなまれることが多々あり、金さんも嫌な思いを何度も経験したという。障害者自身がチャレンジ精神で生きることの大切さと同時に、障害者に対する社会の理解を訴えていたのが印象的だった。

 韓国では2000年、「障害者地域社会促進施設」として、聴覚・言語障害者のための手話通訳センターの設置が進められ、現在、全国184カ所に設置されている。障害者差別禁止法が制定され、字幕放送が増えるなど、社会整備は徐々に整ってきた。しかし一方で、社会の偏見はいまだ残っており、雇用など社会参加の道も不十分だ。

 韓国は今年初め、知的障害者の国際スポーツ大会「スペシャルオリンピックス」を開催するなど、障害者スポーツの誘致に力を入れている。大会開催を通して、障害者の人権と共生社会実現を訴えるためだ。デフリンピックでの韓国勢の奮闘が、韓国での障害者の人権伸長の、更なる一助になることを望む。

東洋経済日報-2013/08/09