ゴエモンのつぶやき

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障害者の特性、共に働くヒント DWLがワークブック

2018年04月14日 11時35分40秒 | 障害者の自立

 今月、企業に一定割合以上の障害者を雇うよう義務づける法定雇用率が引き上げられた。採用側の取り組みがますます求められる中、NPO法人ディーセントワーク・ラボ(DWL、東京都)が、障害者が働きやすい職場づくりを学べるワークブック「障がい者の特性に着目した仕事と組織をつくる」を作成した。中尾文香代表(35)は「障害者の可能性を信じたポジティブな雇用を目指せることを多くの人に知ってほしい」と語る。

  1日からの企業の法定雇用率は2・2%(以前は2・0%)。厚生労働省の2017年6月の調査によると、雇用率の達成企業は50%にとどまる。DWLはワークブック作成に先立ち、障害者雇用で先駆的な取り組みをしている企業や就労継続支援事業所へのインタビューや実態調査を実施。事業費は、独立行政法人福祉医療機構の助成を受けた。

 ワークブックは▽先駆的企業の具体例▽調査結果を基にした仕事づくりのポイント▽障害者の就労環境として企業と事業所の強みや専門性の違いの説明--などで構成。障害のある人だけを訓練して働いてもらうのではなく、周りが環境を整えて働きやすい職場をつくる視点が貫かれている。

 先進事例にはヒントがあふれている。「知的障害だから、精神障害だからこの仕事ができないとは考えない」。従業員37人のうち32人に障害のある「障がい者つくし更生会」(福岡県大野城市)の管理職の言葉だ。障害の種類で一律に判断せず、個々の性格や仕事の理解の方法などを見て「この手順を踏めばできるのではないか」との考え方が示される。廃棄物処理業を手がける同社は、分別作業の質の高さで評価されている。一方、焼き肉店を運営する「NSP」(沖縄市)の事例では、コミュニケーションの苦手な自閉症の男性に働いてもらうため、どの作業に得手不得手があるか、時間をかけて浮き彫りにする過程を紹介した。

 中尾さんは「個々の強みを引き出しながら、他者からの承認を得て働く人のモチベーションを高められる組織はうまくいっていた。全ての人が働きやすい職場づくりに役立ててほしい」と話す。ワークブックはA4判、64ページ。ホームページ(http://decentwork-lab.org)で公開しているが、送料負担で頒布している。問い合わせはDWL(03・6451・7345)。


障害者と市民が音楽通じ交流 「気軽に楽しんでほしい」 あす仙台

2018年04月14日 11時23分13秒 | 障害者の自立

 ダウン症や知的障害などをもつ人と市民が音楽などを通じて交流を深めるイベント「TAP3」が14日午後1時から、仙台市泉区の地下鉄南北線泉中央駅前広場で開かれる。

  TAPは「TOGETHER ACTION PROJECT」の略。同市は2016年、障害者差別解消法の施行に合わせて、障害者と健常者が相互に尊重し合う社会づくりを目指した条例を制定した。「TAP」も同年から、その協働事業として始まり、昨年の来場者は約800人に上った。

 参加者が輪になって打楽器を自由にたたき、即興で音楽を奏でる「ドラムサークル」や、手話での歌唱に挑み、楽器や日用品を一緒につくるワークショップなどが開かれる。

 市障害企画課が市の条例の認知度を調べたアンケートでは、条例を「知っている」と答えた健常者は17%にとどまった。同課担当者は「今回のイベントのような交流を通じて(障害をもつ人に)自然な配慮をできる人が増えてほしい」と話す。

 イベントを主催するNPO法人「とっておきの音楽祭」の菊地新生(あらき)事務局長(44)は「障害者との関わり方が分からない人も、音楽などの表現活動を通じて気軽に楽しんでほしい」と呼び掛ける。イベントは全5回で、8月まで開催。問い合わせは同法人(022・265・0980)まで。

毎日新聞        2018年4月13日


障害者雇用、新たな道開く可能性 第6景・ひきこもり(6)

2018年04月14日 10時58分57秒 | 障害者の自立

 入社して数カ月すると、母が作った弁当に手を付けず持って帰るようになった。「おなかがすかなくなってしまって」。福井市の栄介さん(30)=仮名=は以前に勤務していた会社員時代を言葉少なに振り返る。

 ミスをすると、上司の男性に怒られた。「早く辞めてくれ」。4、5人の社員がいる前でたたかれたり、蹴られたり。「ガソリンをかけて殺してやる」とまで言われた。

 ボールペンの先で突かれることもあった。手のひらや甲で受け止め、血がにじんだことは1度や2度ではない。周りは見て見ぬ振りだった。

 仕事が終わると、1人になりたくなった。自宅から少し離れた駐車場に車をとめ、シートを倒して2~3時間横になった。1日のことを思い出していた。親からの電話にも出なかった。そんな状態は長く続かず、半年で仕事を辞めた。

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 その後、ハローワークに時々通ったが、パソコンで求人情報を見るだけで、面接を受ける気にはなれなかった。それ以外はほぼ自宅。図書館で借りた東野圭吾の小説を読んだり、ゲームをしたりして過ごした。

 ひきこもりにありがちな昼夜逆転はなかった。朝は7時ごろに起きて、植木鉢のナスやトマトに水をやった。離れた場所にある畑に行くこともあった。ジャガイモ、ニンジン、ピーマン、ニンニク、シシトウなど季節ごとに野菜を作った。「家にいるのは(家族に)悪い。体を動かすと少し気分が良くなった」。栽培方法はインターネットや本で調べた。

 仕事を辞めて数年後、ハローワークの紹介で二つの会社に就職したが、どちらも1カ月と続かなかった。仕事をせかされたり、ミスが続いたことが原因だった。無口なのをいいことに、無関係の責任を押しつけられることもあった。「そんな会社が本当に嫌だった」。理不尽だと思ったが、反論はできなかった。

 家族らに勧められ病院に行くと「広汎性発達障害」と診断された。

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 2年前に精神障害者として、製造業の会社に採用された。主な仕事はねじの取り付け作業。職場で仕事以外の話はしないが「黙々とやれるところがいい。だから続けられている」と話す。

 県内の民間企業で働く障害者数(昨年6月時点)は2632・5人、従業員全体に占める障害者の割合は2・4%で、ともに過去最高を更新。民間企業の法定雇用率は今年4月、2・0%から2・2%に引き上げられるなど、障害者雇用は着実に進んでいる。ある企業担当者は「雇用率を達成するために、働いてくれる障害者を探しているがネットワークがない」と話す。

 KHJ全国ひきこもり家族会連合会県支部の近藤茂樹会長(70)は「精神科に通うことは、偏見もあって本人、家族にとってなかなか踏み出せない。ただ、きちんと診断してもらえば、道が開ける可能性がある」と指摘。栄介さんも「障害者手帳がなかったら仕事には就けてなかったと思う」と話す。

 そうはいっても、仕事や環境に慣れるには時間がかかる。気分転換になっていた農作業は、就職した2年前から途絶えたままになっている。

栄介さん(仮名)は会社から戻ると、この車の中でシートを倒して2、3時間過ごした。親からの電話にも出なかった
 
2018年4月13日        福井新聞

たったひとりの障がい者のため、ユナイテッドアローズが真剣に服を作ったら...?

2018年04月14日 10時32分15秒 | 障害者の自立

筋ジストロフィーの女の子の希望を叶えたエプロンドレス

ひとりの障がい者のために、ユナイテッドアローズが服を作ったら...?

車いすに乗っていてもゴワつかない、背面の腰下が取り外せるコートがあったら?

よだれかけの機能もある、おしゃれなスタイがあったら?

そんな一人ひとりの希望を叶える服が誕生した。社会的な課題を解決するソーシャルユニット「Social WEnnovators」と、株式会社ユナイテッドアローズが4月12日、新しい服のレーベル「UNITED CREATION 041 with UNITED ARROWS LTD.」をスタートさせた。

ひとりを起点にプロダクトやサービスを開発する「041(オールフォーワン)」プロジェクト。そのファッションプロジェクトとなる。「Social WEnnovators」は、電通、日本テレビ、一般財団法人ジャストギビングの社員有志によって運営されている。

よだれかけに見えない、おしゃれなドレス

新商品のひとつは、生まれつき筋肉の弱い筋ジストロフィーの加藤真心(まこ)ちゃん(8)の希望を叶える「スタイにもなるエプロンドレス」。

 

 真心ちゃんは、口の周りの筋肉も弱いためよだれかけを付けている。子ども向けのよだれかけはサイズが合わなくなり、大きくなってもよだれかけをしていることで周囲の視線を感じることもあったという。

 「全くよだれかけに見えないものを」という真心のお母さんの希望をふまえて、よだれかけの機能を持つエプロンドレスが誕生した。

「ちゃんと機能性もしっかりしていて、濡れる部分は下地に防水がされていて濡れないようになっている。下に垂れてきたよだれも、ワンピース部分は速乾性があるのですぐ乾く。ずっと着ていても支障がない。(健常児の)お姉ちゃんが着ても可愛い」とお母さんは感想を語った。

他にも、二分脊椎という障害のある人の声をふまえて開発された「後ろが外せる2wayコート」は、背面の腰下部分が取り外せるので、車椅子でも背中がゴワつかず、腕も動かしやすくなっているという。

 社会貢献ではなく、新しいビジネス

ユナイテッドアローズ上級顧問の栗野宏文さんは、「メガネが開発されるまでは、目の悪い人は障害者だった。今はメガネは個性」と、ファッションが、社会の認識を変えた事例を紹介。

 今回のレーベルを通じて「真心ちゃんに、便利な服を提供できた」と語り、「社会貢献ではなく、新しいビジネスを一歩ふみ出した。結果的に、世の中の役に立てばいい」と語った。

プロジェクトのメンバーは、企画に賛同したデザイナーやパタンナーなど。別ブランドのスタッフが横断的に進めた。

サイトを通じて受注生産するため、商品価格が比較的高めであることについては、「40人に作るのと1万人に作る。当然違いますよね。日本全体が勝算があることしかやらないと、おかしくなる」と語った。

Social WEnnovatorsのメンバーで、世界ゆるスポーツ協会、障害攻略課などの取り組みをする電通のコピーライター澤田智洋さんは、「ひとりのために作ったものからヒット商品が生まれることもある」と抱負を語った。