JR四国4駅で不備 転落防止「対策検討」 行政評価支局調査
JR四国の主要駅のうち4駅でホームに点字ブロックが設置されていない不備があることが、総務省四国行政評価支局(高松市)の抽出調査で明らかになった。点字ブロックは視覚障害者がホームから転落するのを防ぐのに有効とされ、同支局の指摘を受けたJR四国は対策を検討するとしている。【岩崎邦宏】
バリアフリー法は駅を新設や大規模改良する際はホームドアや点字ブロックなど視覚障害者の転落防止策を取ることを義務付けているが、既存駅では努力義務となっている。四国4県に視覚障害者は1万4381人(2015年度末)いるとされる。JR四国管内では高松駅で16年11月、視覚障害者がホームから転落する事故が起きたが、けがはなかった。
四国行政評価支局は昨夏、駅ホームの点字ブロックについて市民から相談を受け、特急列車が停車する70駅のうち38駅を調べた。その結果、高徳線栗林駅(高松市)では全てのホームに転落を防ぐための点字ブロックがなかった。高徳線勝瑞(徳島県藍住町)▽土讃線大歩危(同県三好市)▽予讃線伊予大洲(愛媛県大洲市)の3駅はホームの一部に点字ブロックが設置されていなかった。
JR四国には259の駅があり、1日の平均利用者が1万人を超える5駅(高松、坂出、松山、徳島、高知)では、線状の突起物を加えてホームの内側を識別しやすくする「内方線付き点状ブロック」の整備が進められている。しかし、今回指摘があったような比較的利用者が少ない駅について、JR四国は「優先順位をつけて予算をみながら整備を検討したい」との方針だ。
一方、四国行政評価支局は昨夏、主要駅の受動喫煙対策も調べた。利用者から苦情が寄せられた徳島市内にある徳島線蔵本、鮎喰、府中の3駅と特急停車70駅のうち37駅の計40駅を調査。高徳線オレンジタウン(さぬき市)や土讃線後免(高知県南国市)など計11駅で喫煙スペースが不適切な場所にあった。
具体的には、ホームの待合所や駅舎の出入り口に灰皿があり、列車を待つ人や駅舎に出入りする人が他人のたばこの煙を吸わされる状態になっていた。ただ、11駅では同支局の指摘を受けて既に灰皿を移動・撤去するなどの対策が取られた。JR四国は調査対象とならなかった駅についても改善を検討するとしている。
待合室に誘導する点字ブロックしか設置されていないJR高徳線栗林駅のホーム
毎日新聞 2018年4月28日