ゴエモンのつぶやき

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重度障害者に働く機会を創出する「分身ロボットカフェ」への期待と存在意義

2018年12月27日 10時27分12秒 | 障害者の自立

重度障害者がロボットを操作して接客してくれる「分身ロボットカフェ DAWN ver.β(ドーンバージョンベータ)」が11月26~12月7日まで東京・港区に実験的にオープンしていたので、さっそく行ってみた!

ロボットを目線で操作するテーブル担当の山崎さん

まずはお問い合わせフォームで予約した12月6日の14時の10分前に訪れ、受付で体験代1000円を支払う。チケットに書かれたテーブル番号が呼ばれたら着席する仕組みだ。

会場にはコラボレーションしているSF映画アニメ「イヴの時間」のパネルがはられている。4人掛け×6つのテーブルがある。着席して待っていると、司会者の「ロボットの登場です!」という声と共にロボット「OriHime-D」が3台登場した。オーダーを受け取るボードをロボットが持ってくる。と、思いきや私のテーブルにはなかなかたどりつけなくて、最後にはスタッフが動かしていた。まだ、パイロットも慣れていないのだろう。

今日の私のテーブル担当は、山崎拓弥さん。4年前事故で脊髄損傷し、手足が動かなくなってしまった。ロボットは目線で操作しているという。

やっと私のテーブルにたどり着いたロボットが、「いらっしゃいませ。メニューにはホットコーヒーとオレンジジュースがあります。備え付けの紙にオーダーを書き込んで、ボードにはさんでください」と言う。私のテーブルはホットコーヒー3つ、オレンジジュース1つを書き込んでボードにはさんだ。受け取るとロボットはキッチンに行く。

待つこと10分程度だろうか。オーダー通りのドリンクを持ったロボットがやってきた。「お待たせしました」。受け取ると、次のテーブルの接客が気になるのか「失礼します」とキッチンに帰っていく。

介助が必要な生活の中、明るいコミュニケーションを取る三好さん

ドリンクを受け取って飲んでいると、スタッフがミニロボット「OriHime」をテーブルに持ってきてくれた。操作しているのは、三好史子さん。SMA(脊髄性筋萎縮症)2型で、日常的に介助が必要だという。チーズと麻婆豆腐が大好きだという島根県に住む彼女は、介助が必要な生活を送りながら明るい!

私のテーブルには、ドイツから週刊雑誌を見てやってきたというドイツ人がいたのだが、「ドイツから来ました」と言うと、「嬉しい!」と喜んでいた。また、難病の妹がいるという同席者は「私の妹もこういう仕事ができるんじゃないかと思って!」と三好さんに声を弾ませて打ち明けていた。三好さんも「うんうん」と親身に聞いている。

好さんは私のテーブルで「英語はしゃべれる?」など質問攻めにあっていて、会話も弾んだが、ほどなくしてスタッフが三好さんのミニロボットを他のテーブルに運んで行った。

2020年に向け分身ロボットカフェの常設店化を!

山崎さんのロボットはどうかというと、担当のテーブルに注文されたドリンクを運び終わってほっとしたのか、隣のテーブルで話が弾んでいるようだ。

コミュニケーションが取れるとお客も楽しいが、重病で家に引きこもらざるを得ないパイロットも楽しめる。重度障害者に就労の機会を与えるだけでなく、コニュニケーションの機会も与える素晴らしい取り組みだと感じた。今回の実験でPCやIT機器の扱いに慣れている10人のパイロットが交代で働いている。

今回のカフェのオープンの背景について、「障害者が働くといった場合、A型、B型、就労移行というかたちで就労支援が行われていますが、寝たきりの重度障害者はそこで働けると考えられてきませんでした。そういった重度障害者に対し、ロボットを使うことで“働く”ことの可能性を提案します。ロボットを用いた障害者の就労を考えていたオリィ研究所の吉藤さんと、障害者就労支援を長年行ってきた日本財団の竹村が会うことで、重度障害者が働くカフェが実現へと向かいました」(日本財団・飯澤幸世さん)としている。

2020年に向け、分身ロボットカフェ「AVATARカフェ」の常設店化に取り組むほか、カフェだけでなく空港の受付カウンター、百貨店の案内、美術館の作品説明など職種の多様化、採用企業の増加などを目指していくという。

これからが楽しみだ。

2018.12.26         @DIME



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