ゴエモンのつぶやき

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「手話通訳いれば拒否できた」 聴覚障害者への強制不妊

2018年06月10日 13時44分33秒 | 障害者の自立

 優生保護法(1948~96年)下の強制不妊手術をめぐり、全日本ろうあ連盟(本部・東京)が全国の聴覚障害者を調査したところ、70人が不妊手術や中絶を強いられたという回答が寄せられた。連盟が9日に大阪市内で記者会見し、発表した。障害者団体がこうした調査を実施し、公表したのは初めて。

 5月までに回答のあった北海道、宮城、大阪、兵庫、福岡など11道府県分の中間報告で、女性52人、男性18人。手術の種類は男女の不妊手術33件、中絶14件(重複あり)。「子どもが産めない体になった」と証言するなど、手術された可能性のある例が24件。

 法に基づく手術かどうかや本人の同意の有無が不明な例も、拒否できない状況で、意に反して施された「事実上の強制手術」として数えている。

 連盟は会員約1万9千人。不妊手術を強制された知的障害のある女性が1月に国を提訴した後、意思を伝えることが難しい聴覚障害者の被害を掘り起こそうと調査を始めた。3月以降、47都道府県の加盟団体を通じ本人や家族から手話で聞き取り、8月まで続ける。

 優生保護法は、本人や配偶者の障害を理由に不妊手術や中絶を認め、同意が不要な強制不妊手術は「遺伝性の難聴又(また)はろう」の人も対象にした。

「国に謝ってほしい」

 記者会見には調査に応じた6人が出席。聴覚障害ゆえに十分な説明も受けられず、手術を強いられた無念さを、手話で語った。

 神戸市の高木賢夫(たかお)さん(79)は29歳で結婚する際、不妊手術を受けさせられた。妻の妙子さん(77)も聴覚障害があり、子どもを産まないことが結婚の条件だと親に言われた。手術について手話で説明してくれる人はおらず、病院でズボンを下ろされ初めて悟った。「筆談では限界がある。手話通訳がいれば拒否できた」。妙子さんも「子どもがほしいか、私たちに聞いてほしかった」。

 賢夫さんは優生保護法があったことを知らず、「優生」は「優先」のような良い意味だと受け取っていた。今年、強制不妊手術について報じた新聞記事を読み、法の意味を知った。「国に謝ってほしい」と、提訴する意向だ。ほかの被害者も声を上げてほしいと実名で会見に臨んだ。

 福岡市の吉瀬陽子さん(76)も提訴したいと話した。夫が不妊手術を受けさせられたことを結婚後に知った。「わからないまま手術され、残念でならない」

 中絶を強いられた人もいる。大阪府の女性(78)は同居していた親戚に「子どももろうになる」と言われ、何度も中絶させられた。その家を逃げ出し、2人の子を産んだ。「同じことを繰り返さないために経験を話したい」と述べた。

2018年6月9日      朝日新聞


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