「目が不自由な人には危険」という市民の声を受けて、福岡市東区千早の交差型歩道橋に点字誘導ブロックが設置された。同区の理容師、野田賢治さん(62)が国土交通省に改善を要望し、実現した。野田さんは「事故が起きる前に設置してもらえてよかった」と喜んでいる。(矢野恵祐)
設置されたのは、国道3号線沿いにある交差型歩道橋「みゆきロード」。全長は40メートルを超え、九州では珍しい交差型の歩道橋だ。
エレベーターで橋の上に出ると、正面は自転車道と階段の下り坂になっている。このため、目の不自由な人や車いすの人が方向を間違えると、誤って下ってしまったり、上ってきた自転車とぶつかったりしてしまう可能性がある。
野田さんは2010年12月、国土交通省福岡国道事務所に連絡し、問題点を指摘。進む方向を間違えないように点字誘導ブロックの設置を求めた。同事務所には他の利用者からも「手すりしかなく、目が不自由な人は困る」といった声が寄せられていたという。
国道事務所の職員が、野田さんや市の視覚障害者福祉協会の職員とともに現場に赴き、安全策を検討。昨年11月、点字誘導ブロックが設置された。
約10年前にくも膜下出血で錯視などの後遺症が残ったという野田さん。「健常な時は気づかなかった部分が見えるようになった」と言い、病気をきっかけにホームヘルパーや福祉住環境コーディネーターなどの資格を取得した。経営する理容室では、体の不自由な人を送迎するなどの介助サービスも行っている。
設置以来、橋の上では点字ブロックを頼りにつえを使う人や、自転車を押して歩く人が増えたという。野田さんは「市民1人の声でも行政を動かすことができる。少しでも困っている人の助けになったのならば本当にうれしい」と話した。
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点字誘導ブロック(奥)が敷かれた歩道橋
(2012年1月12日 読売新聞)
設置されたのは、国道3号線沿いにある交差型歩道橋「みゆきロード」。全長は40メートルを超え、九州では珍しい交差型の歩道橋だ。
エレベーターで橋の上に出ると、正面は自転車道と階段の下り坂になっている。このため、目の不自由な人や車いすの人が方向を間違えると、誤って下ってしまったり、上ってきた自転車とぶつかったりしてしまう可能性がある。
野田さんは2010年12月、国土交通省福岡国道事務所に連絡し、問題点を指摘。進む方向を間違えないように点字誘導ブロックの設置を求めた。同事務所には他の利用者からも「手すりしかなく、目が不自由な人は困る」といった声が寄せられていたという。
国道事務所の職員が、野田さんや市の視覚障害者福祉協会の職員とともに現場に赴き、安全策を検討。昨年11月、点字誘導ブロックが設置された。
約10年前にくも膜下出血で錯視などの後遺症が残ったという野田さん。「健常な時は気づかなかった部分が見えるようになった」と言い、病気をきっかけにホームヘルパーや福祉住環境コーディネーターなどの資格を取得した。経営する理容室では、体の不自由な人を送迎するなどの介助サービスも行っている。
設置以来、橋の上では点字ブロックを頼りにつえを使う人や、自転車を押して歩く人が増えたという。野田さんは「市民1人の声でも行政を動かすことができる。少しでも困っている人の助けになったのならば本当にうれしい」と話した。
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点字誘導ブロック(奥)が敷かれた歩道橋
(2012年1月12日 読売新聞)
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