パラパワーリフティングの世界選手権大会(30日~10月6日・メキシコ)に日本代表として、別府市からオムロン太陽の城隆志さん(57)=男子65キロ級、別府支援学校高等部3年の松崎泰治さん(18)=同ジュニア107キロ超級=が出場する。県内からは2人だけ。2020年東京パラリンピック出場に向けた第一歩となる大会で「自己ベストの更新を狙う」と声を合わせた。
城さんは2回目の出場。大学4年の時にバイク事故で車椅子生活になった。入社後、車いすマラソンの練習の一環として取り入れたパワーリフティングに魅せられ、13年の東京パラ開催決定を契機に「競技人生の最後に出場を目指そう」と本格的に開始。一発勝負に強く、138キロの日本記録を持つ。
初出場の松崎さんは日出中学校3年の時に障害者スポーツのイベントで城さんと出会い、素質と才能を見いだされた。別府支援学校入学後から太陽の家(別府市)にあるトレーニングルームで城さんと共に練習に励み、7月には107キロ超級で135キロの日本ジュニア新記録をマークした成長株。
東京パラの出場権は今回の世界選手権に出た上で、18年のアジアオープン選手権、19年の世界選手権などの出場が必須条件。最終的に国際パラリンピック委員会が世界ランキングを踏まえ、出場選手を指名するという。2人ともにまずはメキシコで「第一関門」を通過し、次の国際舞台に備えることになりそう。
7月に東京で世界記録保持者のシアマンド・ラーマン(イラン)の競技を間近で見た松崎さんは「世界にはすごい選手がいる。目標は日本記録(155キロ)を塗り替え、東京パラで表彰台に立つこと」と目を輝かせる。コーチ役でもある城さんは「若い世代を育てることが恩返し。自分は海外の厳しい舞台で140キロ以上を挙げたい」と二人三脚で夢に向かう。
世界選手権に出場する男子65キロ級の城隆志さん(右)、同ジュニア107キロ超級の松崎泰治さん
※この記事は、9月8日大分合同新聞朝刊11ページに掲載されています。
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