2006-0712-yms083
行く先は分かっていたのに月影を
ゆうべはずっと待っていたのよ 悠山人
○紫式部集、詠む。
○略注=ここから三歌は、「夫の夜離れを嘆いた頃の贈答である。」(新潮版) 「夜離れ(よがれ)」は、夜が枯れる、つまり夫が夜来ないこと。詞書に、急に都合が悪くなったから、今夜は行かないよ、と。その返し。夫が訪ねる女は、分かっているの。そうは思っても、やはり一晩中待っていたことです。ここでは紛れもない女。平王ク歌番号093。
¶月影=月は男(夫)。心の中で男を追う空しい気持ち。「うはの
そら(上の空)」は縁語。
□紫083:いるかたは さやかなりける つきかげを
うはのそらにも まちしよひかな
□悠083:ゆくさきは わかっていたのに つきかげを
ゆうべはずっと まっていたのよ
行く先は分かっていたのに月影を
ゆうべはずっと待っていたのよ 悠山人
○紫式部集、詠む。
○略注=ここから三歌は、「夫の夜離れを嘆いた頃の贈答である。」(新潮版) 「夜離れ(よがれ)」は、夜が枯れる、つまり夫が夜来ないこと。詞書に、急に都合が悪くなったから、今夜は行かないよ、と。その返し。夫が訪ねる女は、分かっているの。そうは思っても、やはり一晩中待っていたことです。ここでは紛れもない女。平王ク歌番号093。
¶月影=月は男(夫)。心の中で男を追う空しい気持ち。「うはの
そら(上の空)」は縁語。
□紫083:いるかたは さやかなりける つきかげを
うはのそらにも まちしよひかな
□悠083:ゆくさきは わかっていたのに つきかげを
ゆうべはずっと まっていたのよ