2006-0717-yms087
花すすきどうして下葉の露だけが
いつまで残っているのでしょうか 悠山人
○紫式部集、詠む。
○略注=恋煩いでもなさっているのでは、などと聞かれるので、九月晦日(ながつきつごもり)に、と前書き。野の花は下草の露で枯れていくのに、すすきの花(消えそうな私の命)がなんとか持ちこたえているのは、なぜでしょうか。恋煩いなど、とてもとても。平王ク歌番号097。
¶葉わけ(分け)の露=葉に留まらないで、下葉に置く露。
□紫087:はなすすき はわけのつゆや なににかく
かれゆくのべに きえとまるらむ
□悠087:はなすすき どうしてしたばの つゆだけが
いつまでのこって いるのでしょうか