煙が目に染みる
青葉若葉の初夏の候
今日は 孫が生まれた日
空は青く
あの山も 青々として
若葉は 陽を受けて
キラキラと照り映えて
吹く風は ヒンヤリと
自転車を漕げば
少し汗ばむくらい
花壇や庭の花は
初夏の風に揺れながら 微笑む
自転車に乗り 薫風切って
私らは 市民ホールに向かう
長く遠ざかっていた芝居観劇
大型連休の最終日に
市民ホールに出かけ
カミさんと 芝居観劇をした
「煙が目にしみる」の幕が開ける
懐かしいメロディーが流れる
五、六十代の男が 二人亡くなり
たまたま同じ斎場(火葬場)に居合わせ
その火葬前後に展開される
哀しくも可笑しい人間模様
「煙が目にしみる」
切ないメロディーが
耳奥に響いて 忘れ難い
######################
そして 僕は
火葬場での煙を思い出していた
それは ちょうど5年前の五月
あるペット霊園でのことだ
我が家の柴犬モコが
18歳余りで亡くなり
家内と次女とで
自宅 公園 川 駅 病院と
所縁(ゆかり)の地を訪ねながら
車を走らせ 霊園に向かう
次女は 初めての我が子を
亡くして間もない頃だったが
福岡市から駆けつけてくれた
家内は 東京の初孫が
生まれたばかりで
その手伝いに上京していた
5月15日の深夜
外は暗く 雨の音
モコは 夜通し
か細い声で鳴くので
一人で世話をしていた僕は
モコ 朝まで待ってね
と 心の中で頼みながら
横になっていた
うたた寝をして
辺りがうっすらと明るくなり
鳴き声が全くしないので
僕は もしや まさか という思いで
モコの様子を窺うと
動きも呼吸も気配がない‥‥
モコは 最後は静かに
息を引き取っていった
それから 僕は
お風呂場に モコを運び
体を拭いて きれいにして
また 布団に寝かせ
体を自然な格好にして
氷を入れたビニール袋を
体の周囲に敷き詰めた
枕元には 水とご飯‥‥
これからどうしたらいいか
上京中の家内と打ち合わせ
打ち合わせながら
最後の最後は看取られず
すまないと言う気持ちと
別れの哀しみとで
電話の先で 家内が
泣いてるの?って尋ねる
悲しいんだね?と確かめる
僕は いろんな気持ちが混ざり
心の底から どんどん溢れてくる
両親には申し訳ないけれど
両親が亡くなった時よりも
僕の涙は溢れて
僕は 嗚咽を漏らした
娘が緊急入院をした時
僕は 人生の四半分の涙を流した
(その後 娘は奇跡的に回復した)
そして そのまた半分の涙を
急逝した義母を亡くした時に
使った(妻の母親の存在は大きい)
義母の火葬の時
家内と義姉は
火葬のボタン押しで躊躇った
私たちは 長い人生の中で
沢山のボタンを押してきているが
火葬のボタンほど 押しにくいものはない
相当な覚悟をして押さなくてはいけない
2014年(平成26年)5月16日
僕たちは 昨日と全然違う青空の下
火葬の煙を見上げながら
愛犬モコと 永遠の別れをした
煙が目に染みる
ペット霊園の庭から見える
火葬の煙‥‥
あれは 愛犬モコの煙‥‥
煙が目に沁みる
霊園の祭壇でのお線香やお香は
心鎮める煙を漂わせている
サヨナラ モコ!
今まで長い間 ありがとう!
PS 2019.5.7 草稿 5.8 追記
やはり生での芝居観劇はいい
演目は「煙が目にしみる」と「おくまと鉄之助」
出演は 座長が熊谷真実さん
他に主な演者として 小松政夫さん、
音無貴美子さん、川野太郎さん、
あご 勇さん、曾我廼家八十吉さん など
「煙が目にしみる」は
ミュージカルの主題歌で
実は 女性の失恋を歌ったものだそうだ
父方の叔父は 病気のため喉が弱くて
線香の煙も咽せるので 避けていた
################
PS 2019.5.6 草稿 5.8 / 5.14 追記
この観劇は 日本香堂主催
ご愛用者謝恩観劇ご招待会に
(熊谷真美一座 旗揚げ公演)
応募して当選したので 参観した次第
観劇の他に 弁当やお土産まで頂いた
###################################
最近 似たテーマを扱った絵本の紹介があった
絵本「このあと どうしちゃおう」だ
この絵本は おじいちゃんの死を扱った作品で
死後の世界から 現世(の自分の生き方)を照射した
奇抜な発想と お茶目なユーモアに溢れた
心に残る素晴らしい絵本のようだ
(絵本は ヨシタケシンスケ 著 ブロンズ新社 出版
2016年4月 発行 )
私は 近いうちに 本屋さんで探しましょう
青葉若葉の初夏の候
今日は 孫が生まれた日
空は青く
あの山も 青々として
若葉は 陽を受けて
キラキラと照り映えて
吹く風は ヒンヤリと
自転車を漕げば
少し汗ばむくらい
花壇や庭の花は
初夏の風に揺れながら 微笑む
自転車に乗り 薫風切って
私らは 市民ホールに向かう
長く遠ざかっていた芝居観劇
大型連休の最終日に
市民ホールに出かけ
カミさんと 芝居観劇をした
「煙が目にしみる」の幕が開ける
懐かしいメロディーが流れる
五、六十代の男が 二人亡くなり
たまたま同じ斎場(火葬場)に居合わせ
その火葬前後に展開される
哀しくも可笑しい人間模様
「煙が目にしみる」
切ないメロディーが
耳奥に響いて 忘れ難い
######################
そして 僕は
火葬場での煙を思い出していた
それは ちょうど5年前の五月
あるペット霊園でのことだ
我が家の柴犬モコが
18歳余りで亡くなり
家内と次女とで
自宅 公園 川 駅 病院と
所縁(ゆかり)の地を訪ねながら
車を走らせ 霊園に向かう
次女は 初めての我が子を
亡くして間もない頃だったが
福岡市から駆けつけてくれた
家内は 東京の初孫が
生まれたばかりで
その手伝いに上京していた
5月15日の深夜
外は暗く 雨の音
モコは 夜通し
か細い声で鳴くので
一人で世話をしていた僕は
モコ 朝まで待ってね
と 心の中で頼みながら
横になっていた
うたた寝をして
辺りがうっすらと明るくなり
鳴き声が全くしないので
僕は もしや まさか という思いで
モコの様子を窺うと
動きも呼吸も気配がない‥‥
モコは 最後は静かに
息を引き取っていった
それから 僕は
お風呂場に モコを運び
体を拭いて きれいにして
また 布団に寝かせ
体を自然な格好にして
氷を入れたビニール袋を
体の周囲に敷き詰めた
枕元には 水とご飯‥‥
これからどうしたらいいか
上京中の家内と打ち合わせ
打ち合わせながら
最後の最後は看取られず
すまないと言う気持ちと
別れの哀しみとで
電話の先で 家内が
泣いてるの?って尋ねる
悲しいんだね?と確かめる
僕は いろんな気持ちが混ざり
心の底から どんどん溢れてくる
両親には申し訳ないけれど
両親が亡くなった時よりも
僕の涙は溢れて
僕は 嗚咽を漏らした
娘が緊急入院をした時
僕は 人生の四半分の涙を流した
(その後 娘は奇跡的に回復した)
そして そのまた半分の涙を
急逝した義母を亡くした時に
使った(妻の母親の存在は大きい)
義母の火葬の時
家内と義姉は
火葬のボタン押しで躊躇った
私たちは 長い人生の中で
沢山のボタンを押してきているが
火葬のボタンほど 押しにくいものはない
相当な覚悟をして押さなくてはいけない
2014年(平成26年)5月16日
僕たちは 昨日と全然違う青空の下
火葬の煙を見上げながら
愛犬モコと 永遠の別れをした
煙が目に染みる
ペット霊園の庭から見える
火葬の煙‥‥
あれは 愛犬モコの煙‥‥
煙が目に沁みる
霊園の祭壇でのお線香やお香は
心鎮める煙を漂わせている
サヨナラ モコ!
今まで長い間 ありがとう!
PS 2019.5.7 草稿 5.8 追記
やはり生での芝居観劇はいい
演目は「煙が目にしみる」と「おくまと鉄之助」
出演は 座長が熊谷真実さん
他に主な演者として 小松政夫さん、
音無貴美子さん、川野太郎さん、
あご 勇さん、曾我廼家八十吉さん など
「煙が目にしみる」は
ミュージカルの主題歌で
実は 女性の失恋を歌ったものだそうだ
父方の叔父は 病気のため喉が弱くて
線香の煙も咽せるので 避けていた
################
PS 2019.5.6 草稿 5.8 / 5.14 追記
この観劇は 日本香堂主催
ご愛用者謝恩観劇ご招待会に
(熊谷真美一座 旗揚げ公演)
応募して当選したので 参観した次第
観劇の他に 弁当やお土産まで頂いた
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最近 似たテーマを扱った絵本の紹介があった
絵本「このあと どうしちゃおう」だ
この絵本は おじいちゃんの死を扱った作品で
死後の世界から 現世(の自分の生き方)を照射した
奇抜な発想と お茶目なユーモアに溢れた
心に残る素晴らしい絵本のようだ
(絵本は ヨシタケシンスケ 著 ブロンズ新社 出版
2016年4月 発行 )
私は 近いうちに 本屋さんで探しましょう