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青いお空の底深く・・・金子みすず

2008年03月07日 | 川柳
                 

              青いお空の底ふかく、
             海の小石のそのように、
             夜がくるまで沈んでる、
             昼のお星は目に見えぬ。

            見えぬけれどもあるんだよ、
            見えぬものでもあるんだよ。

             佐治晴夫(宇宙物理学者)
                 
 私たちはどんなに目を凝らしてみても、耳をそばだててみても、人の苦しみや悲しみをそのまま経験し、見ることはできません。その人の表情やしぐさから想像することができるだけです。したがって、人の悲しみや痛みをそのまま理解することができないという自覚が「やさしさ」の原点であるといってもいいのではないでしょうか。「優しさ」とは、物理的に知覚できることがらの裏にかくされている真実な単なる幻想としてではなく、きちんとした論理の意図でさりげなく紡いでいく豊かな想像力!それは感性豊かな詩人のまなざしであると同時に、ものごとを冷静に見抜いていく科学者の目でもあります。言葉を変えれば、私たちが普通気づかない「すきま」から宇宙のすべてを見通す感性をもち、しかもみずみずしい直観力と美しい論理で彩られ限りなくやさしい世界、それが、「みすずコスモス」の魅力です。
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