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大きなこころってなんでしょう?

2008年03月13日 | 川柳
             金子みすず詩集より              
                弁天島
                 
            「あまりかわいい島だから
             ここには惜しい島だから、
            もらってゆくよ、綱つけて。」

              北のお国の船乗りが、
             ある日、笑っていいました。

             うそだうそだと思っても、
             夜が暗うて、気になって、

              朝はお胸もどきどきと、
             駆けて浜辺へゆきました。

               弁天島は波のうえ、
             金のひかりにつつまれて、
              もとの緑でありました。

     *この詩を読んで、フーと浮かんだ女性がいます。

 彼女はアイヌ(人間)のルーツで今、アイヌ刺繍・小説・町史編纂・こどもと緑を守る会・自分史・川柳などに関わりながら、私の5倍も生きているような信じられないがんばりやさんの先輩です。
  それから、15年間寝たっきりのおかあさんをひとりで介護しています。
彼女のお話の中に面白いおはなしがあります。それは、彼女の曾おばあさんとの思い出です。「わたしの曾おばあさんがね・・おまえが大きくなったらあの駒ヶ岳をやろう・・妹にはあの大沼をやろう・・」と、幼いころ言われていたそうです。
駒ヶ岳も大沼も函館から車で20分位の所にある国定公園です。
彼女は小さいころその、大きな山を見ながら・・「あの山をもらったら・・何に使おうかと真剣に考えていたそうです。」そして、その山をいつも見上げて苦しい時や、悲しい時にはそのお山に語りかけていたそうです。
がんばりやさんの彼女は、大変な逆境の人生の困難を越えて今、自分が亡くなったら「自分のルーツを誇って欲しいという意味でアイヌにまつわる自分史を作っています。」
高校在学中は、函館の朝市で毎朝「たまご売り」をして学費と交通費を作りました。
弘前の大学へ行く入学金も、授業料も高校時代に機械編みをおぼえてセーターをつくり、大学も自分のアルバイトで卒業しました。

今でも、「あの山が自分のものだったら何に使おうか?」と時たま考えるそうです。
  曾おばあちゃんのプレゼントは冗談ではない、お話のような気がします。
もし、わたしが曾おばあちゃんにでもなったらその時、ひ孫には何をあげましょうか?
   こどもに大きな夢を抱かせる森にしましょうか?湖にしましょうか?


コメント
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