川柳・ボートっていいね!北海道散歩

川柳・政治・時事・エッセイ

いい眼・・・金子みすず

2008年03月28日 | 川柳
             金子みすず詩集より
                 
               い い 眼
                 
             山のむこうの鳩の眼を、
            ねらって鉄砲が射てるよな、
             いい眼が私にあったなら、

            町のかあさんのそばにいて、
             田舎の、林の、木の枝の、
            小鳥の巣かけもみな見える。

             沖の、小鳥の、片かげの、
             岩のあわびもみなみえる。

             空の、夕焼けの、雲のうえ、
             天使のすがたもよくみえる。

             そんないい眼があったなら、
             いつも、母さんのそばにいて、
             いろんなことをみようもの。

こどもの頃の「いい眼」好奇心は、宝物です。それをどの方向に導いていくのかサポートするのか、あるいは、じっと見届けていくのか。
             むずかしいところです。
「子育ては一大事業である」・・と、おっしゃっていた方がおりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

田舎の町と飛行機・・・金子みすず

2008年03月28日 | 川柳
             金子みすず詩集より(1903~30)

             田舎の町と飛行機
                  
            飛行機お空に見えたので、
            町じゅう表へ出て来たよ。

            菓子屋の店にも誰もいず、
             床屋の鏡も空っぽで、

             みんな揃って口あけて、
             春のお空をみていたよ。

             群れて小鳥のとぶように、
             ビラがお空を舞ってたよ。

             うちの庭にはちらちらと、
              桜になって散ってたよ.

             飛行機お空をすぎたので、
            町じゅうぽかんとしていたよ。

大正・昭和の初期にもこのようなビラが空から撒かれていたのですね。
  私も、2・3度子供のころに、ビラを追いかけたことがあります。
        今は、法で規制されているのでしょうか。
         ワクワクした思い出のワンシーンです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする