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くじらのこどものかなしい詩

2008年03月12日 | 川柳
  金子みすずさんの代表作のひとつです。(明治36年生・昭和5年没)
           鯨法会(くじらほうえ)
                
            鯨法会は春のくれ、
           海に飛魚採れるころ。

           浜のお寺でなる鐘が、
          ゆれて水面をわたるとき、
           村の漁夫が羽織着て、
           浜のお寺へいそぐとき、

           沖で鯨の子がひとり、
          その鳴る鐘をききながら、

           死んだ父さま、母さまを、
          こいし、こいしと泣いてます。

           海のおもてを、鐘の音は、
           海のどこまで、ひびくやら。

                 

        *ちょっと続きを創ってみたくなりました。

           鯨法会のおわるころ、
           浜のお寺も眠りだす。

            村の漁夫は赤い顔、
           お酒に酔って帰ります。

           それを見ていた鯨の子。

           死んだ父さま母さまを、
          こいし、こいしと泣きながら、

           海のおうちへかえります。

           ひとりで波につつまれて、
           星もかすんでかえります。

               Y-umi
コメント
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