金子みすず童話集より(1903~1930)
御 本 と 海
ほかのどの子が持っていよ、
いろんな御本、このように。
ほかのどの子が知っていよ、
支那(シナ)や印度(インド)のおはなしを。
みんな御本を読まない子、
なにも知らない漁夫(りょうし)の子。
みんなはみんなで海へゆく、
私は私で本を読む、
大人がおひるねしてるころ。
みんなはいまごろ、あの海で、
波に乗ったり、もぐったり、
人魚のように、あそぶだろ。
人魚のくにの、おはなしを、
御本のなかで、みていたら、
海へゆきたくなっちゃった。
急に、行きたくなっちゃった。
自分の砦と、他者の砦のちがいをきちんと批評する。・でも・・こどもって大人の知らないところでこのように、他者のしていることに興味を抱きながら相関関係を築いて成長していくのですね。教えられます。
御 本 と 海
ほかのどの子が持っていよ、
いろんな御本、このように。
ほかのどの子が知っていよ、
支那(シナ)や印度(インド)のおはなしを。
みんな御本を読まない子、
なにも知らない漁夫(りょうし)の子。
みんなはみんなで海へゆく、
私は私で本を読む、
大人がおひるねしてるころ。
みんなはいまごろ、あの海で、
波に乗ったり、もぐったり、
人魚のように、あそぶだろ。
人魚のくにの、おはなしを、
御本のなかで、みていたら、
海へゆきたくなっちゃった。
急に、行きたくなっちゃった。
自分の砦と、他者の砦のちがいをきちんと批評する。・でも・・こどもって大人の知らないところでこのように、他者のしていることに興味を抱きながら相関関係を築いて成長していくのですね。教えられます。