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大人になれたらうれしいな

2008年03月25日 | 川柳
           金子みすず詩集より(1903~1930)

           打 出 の 小 槌(こづち)
                
           打ち出の小槌をもらったら
            私は何を出しましょう。

          ようかん、カステラ、甘納豆
           ねえさんとおんなじ腕時計、
           まだまだそれより真っ白な
           唄の上手なオウムを出して、
         赤い帽子(シャッポ)の小人を出して
           毎日踊りを見ましょうか。

           いいえ、それよりお話の
           一寸法師がしたように
           背丈を出して一ぺんに
          大人になれたらうれしいな。

「一寸法師がしたように背丈を出して一ぺんに大人になれたらうれしいな。」
という、最後のフレーズに心がとまります。

「一寸法師」の物語は、おじいさん、おばあさんの悪だくみを聞いて、おわんの舟で櫂をこいで一寸法師が逃げるストーリーから御伽草子が始まります。
もし、一寸法師が大人で背丈が大きかったなら、小さな体でおわんの舟をこぐ必要もなかった訳です。こどもが急に大人になったらうれしい!へんしーん!!ミラクルです。
こんな作者のこどもの願望を創れる「あたたかなまなざしに、大変成熟した女性の金子みすずさんを感じます。」
  
 こどもたちにとっての「打ち出の小槌」は、今やどらえもんの「なんでもポケット」などに表現は変わっていても、「夢のプレゼント」をしてくれるものは、古今東西、普遍の子供たちの欲求でしょうか。

 ちなみに私は、大人になっても誕生プレゼントに何がいいかと父に聞かれ、「デパート一つ欲しい!」と答え「馬鹿!」と言われました。
 でも、「本気」でしたよ・・「デパート一つあれば何でもありますからね・・・」
逆に父の日に「プレゼントに何がいいでしょう?」と私が尋ねたら・・「何でもいいですよ!何だったら・・クルーザーでも買ってもらいましょうかねー!」と応酬されました。いつもそんな調子ですが。

もしかしたら、人間はみな「こころに打ち出の小槌を持っているのではないでしょうか?」それを実現させた人を「成功者」と呼ぶのでしょうか?
         いえいえ、それは・・・大人のへんな観念です。
コメント
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