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お父さんのない子の唄

2008年03月17日 | 川柳
             金子みすず童謡集より
                口真似
            (お父さんのない子の唄)
           「お父ちゃん、おしえてよう。」
               あの子は甘えて
                いっていた。

               わかれてもどる
                裏みちで、

               「お父ちやん」
                そっと口真似
                してみたら、
                なんだか誰かに
                はずかしい。

                 生垣の
                白いむくげが
                 笑うよう。

金子みすずさんの童謡集に、「お父さん」の詩が唯一発表されているのが
この詩です。
彼女の、ふかーい・ふかーい3歳で病死したお父さんへの想いに、涙あふれてしようがありません。
彼女のすべての「詩」は、天国で微笑む「お父さん」へ捧げた想いではないのだろうか?と、いう気持ちになってきました。

   だから、「こどものこころ」を描き続けられたのではないだろうか。
きっと、何度も、何度も、「お父さん」の「詩」を創っては、破き・捨て・創っては・捨て。やっとできたのがこの「口真似」。
彼女の宇宙(コスモス)が、宇宙の父との交信・「お便り」ではないのだろうか?
(この詩の中に流れている、「お父ちゃん」には万語の感情が詰っています。)
彼女の死は、「父へ逢いに行く旅立ち」のような気がします。独断です。
         
コメント
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