手巻きベンラス・スモールセコンドとエルジンクォーツ腕時計
またまた、腕時計の修理です。
アメリカの腕時計メーカー、ベンラスの手巻きスモールセコンドです。ベンラスは、第二次大戦以前に創業されたアメリカの時計メーカーで、40年代から50年代にかけては、軍用時計を作っていました。
角型のデザインで、風防も四角いガラス製です。ガラス製なので傷は比較的少ないのですが、四角が欠けてしまっています。
エルジンのデイ・デイト、クォーツです。エルジンも戦前からのアメリカの時計メーカーで、手巻きの古い腕時計は今でも人気があります。戦後は、日本の時計メーカーに買収され、日本でクォーツ時計が作られています。
風防はサファイアガラスですが、右下の角が欠けています。
風防ガラスは、欠けたままにしておくと傷がだんだん大きくなっていくので、充填接着剤で補修することにします。
2つの液を混ぜるエポキシ樹脂の接着剤を使いました。乾いても、あまり収縮しないタイプですので、ガラスが欠け落ちた箇所の充填剤にもなります。
二つのゾル状の液を混ぜると、4~5分で硬化し始めます。一日おいてから、余分な箇所をカッターナイフで削り落とし、形を整えます。
楊枝を使って少量の充填剤を塗り込み、ガラスの欠けた部分を盛り上げます。
乾くとどうしてもわずかに収縮してくるので、少し多めに塗って盛り上がるくらいにしておきます。
円形以外の風防ガラスは、古い時計の物はなかなか手に入りません。アクリル樹脂で補修するなどして、現状を修復することになります。
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