ブローバ手巻きの腕時計、文字盤を塗装しました。
以前、紹介したブローバ(BULOVA)のスモールセコンドです。ご覧のように、文字盤の特に四角の塗装が汚れていて情けない状態です。
リグロインで、劣化した塗料を拭き取りました。文字盤の地の金属が露出しています。時間の数字やマーク、針は金メッキがしっかりされているようで、ほとんど腐蝕していません。
リュウズのネジも緩んでいたので、専用の接着剤で着けました。
リュウズは巻き芯に、ネジ込んで留めてあります。緩める方向に回すと取れてしまったので、ネジを留める専用の接着剤で接着することにしました。
この接着剤は、空気が遮断されると硬化します。極少量付けて、ネジを締め込むと空気が遮断されて接着されます。
ケースは金製で、ピカピカです。しっかり稼働しているのに、あまりに情けないフェイスなので塗装することにしました。
タミヤカラーのアクリル系の塗料(チタンゴールド)です。
ケースを外して、極細筆で塗ります。
右下の角を塗りました。未塗装の左下角と比べると、キレイに塗られていることが分かります。元の塗料の色と、ほとんど同じように塗れました。
色を混ぜることなく、ほとんど同じ色だったのは、ちょっと奇跡的・・・大げさだけど。
四角すべてを塗りました。光の当たり具合で、やはり色の違いが目立ちます。退色した元の塗装と同じ色合いにするのは、至難の業です。でも割合ムラなく塗れているので、元の塗装を全て拭き取って、文字盤の中央部分も含めて再塗装したほうが好いかもしれません。
ついでにケース、プラ風防もクリーニングしました。
ケースにはめ込むと、まあまあキレイで塗装前と比べれば見違えます。
昔の時計は気密性は全くないので、今残っているほとんどの時計は湿気や汗などの水分で、特に文字盤の塗装が劣化しています。
全面再塗装するのであれば針を外し、ムラなくスプレーなどで吹き付け塗装し、時間の数字やマーク、メーカー名などを再プリントする技術も必要です。非常に小さい文字を、極細の筆で手書きしているのを見たことがあります。もう、とにかく細かな作業です。
まだまだ直す時計のストックが、たくさんあります。動かないものを動くようにすることもありますが、見栄えの悪いものをキレイにリペアするのも、やりがいのあるものです。
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追伸:現状は地の塗装となじまないので、シルバーの塗料を混ぜて色を出して再度塗装しました。
こうして拡大してみると、ムラと言うか凸凹がちょっと目立ちますが、まあそれなりにキレイに塗れました。
ところが調子に乗ってゼンマイを巻き上げたら、”バチッ!”・・・。ゼンマイが切れました!!!
古い時計は、目いっぱい巻き上げては絶対にいけません!(もう、反省しきり・・・!) 古い時計のゼンマイは必ず金属疲労しています。ゼンマイが切れたら取り換えるしかないのですが、古い時計では同じ部品を手に入れることは、ほとんど不可能です。
それで、切れたゼンマイの修復にトライしてみます。結果報告を、改めて致します。上手くいくのか、ダメなのか・・・。
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