オパル万年筆(Made in Japan)
久しぶりの万年筆です。多分、1950年代の Made in Japan です。
クラシックなデザインの万年筆です。キャップの環とクリップにR14Kと刻印があります。14Kメッキという事でしょうか。
クロスで磨くと環やクリップ、ボディーもきれいになりました。
ペン先は青く染まって汚れていました。水に浸けるとペン芯に残っていたインクが染み出て来ました。古いインクのかすは、緑色になります。
吸入は古いピストンタイプです。
戦後の古い万年筆は、このタイプのインク吸入方式を使っているものが多いです。古い物は胴軸とピストンのステムの気密性が弱っているものが多く、インクが漏れ出すことがあります。
よく洗浄した後ここにシリコングリスを着けて、インク漏れを防止します。元々このタイプは、インク漏れを起こしやすいです。尻軸と胴軸の継ぎ目のこの部分から、よくインクがにじみ出てきました。
インクを入れて書いてみました。
暫く書いていると指先が汚れてきます。首軸の汚れではなく、首軸と胴軸の継ぎ目からインクがにじみ出てきたようです。
この部分の密閉性も弱ってきているようです。
少し緑がかっています。残っていた古いインクのかすの色です。
首軸を外してみます。スクリュータイプでした。古い物は、オスメスのジョイントで継いでいるものが多いです。
胴軸側にピストンの先が見えます。尻軸をねじ込んで、このピストンの先端で首軸の孔を塞ぐ構造です。書いていて、だんだんインクの出が悪くなってくると、尻軸を緩めてピストンの先端を開けてタンクのインクをペン芯に補充します。
よく洗浄してから、気密性を確保するため同軸と首軸の接続部に、シッカロール(タルカムパウダー)を塗ります。
シッカロールは、オスメス軸のジョイントにも使います。接着剤で着けてしまうと、後々分解できなくなるので。ネジ込タイプは密閉性が高いのですが、この万年筆はインクが漏れ出してきていたので、シッカロールを付けて接続しました。
書いてみるとカスレるので、ペン先の具合を見てみます。するとかなりペンを立てて使っていたようで、ペン先の下面から70度位にすり減っていました。下端が尖っているので、これを耐水ペーパー2000番で丸く研磨します。
スムースにインクが出るようになって、キレイに書けるようになりました。太さのサイズは、EF(極細)ですね。この当時の日本の万年筆は、極細サイズが多いです。でも、なかなか良い万年筆です。
~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~