フォト&クラフト工房Gorou's (写真、カメラ、万年筆、腕時計、etc.)

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オオムガイ(ノーチラス)とアンモナイト

2017-02-16 00:10:00 | 日記

南太平洋の比較的深い海に今も生息しているオオムガイと化石のアンモナイト

オオムガイ(Nautilus)とアンモナイトの化石です。

 オオムガイは、オーストラリアいやコロンビアだったか(ぜんぜん違う国ですね)出張した方からの頂き物です。アンモナイトの化石は、地元のホームセンターをウロウロしていて見つけました。

 オオムガイは古生代中期デボン紀に発生し、古生代末、中生代末の大量絶滅を乗り越え、現代まで生き延びている生きている化石と言われている頭足類です。イカやタコに類似する点も多いのですが、別の亜目に分類されています。
 アンモナイトは巻貝の様な殻を作ることで形態はオオムガイに似ているのですが、こうして比べると殻の巻き方が異なっていることが判ります。オオムガイは巻貝と違って殻の中に隔壁(巻き込まれている殻は、中央に孔が開いている隔壁で区切られています。)があり、生体は一番外側の部屋に収まっています。隔壁で隔てられた部屋の中には空気が溜められており、それは魚類の浮袋の役目をしています。アンモナイトも、隔壁のある殻の構造はオオムガイと同じで種としては近縁のように思われますが、現在の学術的な見解では別の種とされています。

 殻の表面もアンモナイトとは違って滑らかで、茶色の縞模様があります。この模様は、アンモナイトの殻の凹凸と似ていますねぇ。一般に化石の貝類や魚類、恐竜なども、その表面や皮膚にどのような模様があったのか、どんな色をしていたのかは判っていません。

内側は、滑らかな光沢のある真珠質です。ここに軟体質の体が収まっています。

 アンモナイトの化石です。大きさは3.5cm程です。アンモナイトは進化の過程で、直径1m以上のものも発見されています。これは、いつ頃の時代のものなのでしょうか。

 

 中心に核があって、そこかららせん状に成長していることが判ります。管には等間隔に凹凸があり、段階的に殻を作って成長していったものと思われます。巻き始めの中心部分が見えているので、その形態はオオムガイと異なります。オオムガイは中心部を覆って、殻全体が大きく成長しています。

 

  口の部分は、カットされているようです。孔が開いていて、内部の空洞部分が残されています。カットされた断面には、中心部のX状に見える隔壁の一部?と、その左右に対称の模様が確認できます。
 ちなみにオオムガイは生体が捕獲され、海中を泳いでいるところも撮影されているので、体がどのような形態か判っているのですが、アンモナイトはおそらく軟体質の体だったので、化石としては残っていません。その痕跡が割合最近に発見されたようですが、具体的にどのような形をしていたのかは判っていません。オオムガイとは基本的に種が異なるので、一概にそれと同じような姿だとは判断できません。

 オオムガイは、化石の発掘される地層から古生代末のデボン紀に誕生したのではないかと推測されていますが、アンモナイトはそれより古く、古生代オルドビス期に発生したオオムガイとの共通祖先が進化して古生代から中生代末まで爆発的に繁栄した種です。
 アンモナイトは古生代と中生代の境、ペルム紀末に一度ほとんど絶滅しかけたのですが、その一部が大絶滅を乗り越えて中生代に大型恐竜と共に改めて繁栄しました。しかし中生代後期の白亜紀に、おそらく小惑星の地球衝突による劇的なカタストロフ(気候変動)により、恐竜と共に絶滅しました。

 ヘミングウェイも飲んでいた”White Horse"をやりながら、中生代に生きていたと思われるこのアンモナイトを見ていると、6000万年以上前の恐竜が闊歩していた地球の景色に思いを馳せることができて、何故かとても楽しい気分になりました。

 

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コメント
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