フォト&クラフト工房Gorou's (写真、カメラ、万年筆、腕時計、etc.)

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コニカC35

2017-10-29 00:30:41 | カメラ

レンズの素晴らしいコニカC35

 ほんと久しぶりのカメラです。雑誌でコニカのEEカメラ、フラッシュマチックが、革のストラップ付で載っていました。ちょっと、まいった。さっそくジャンクの中から探し出してきて調整しました。優秀なレンズで、今でも人気のコニカC35です。

 レンズがHEXANON38mmf2.8 です。距離計、レンジファインダーつきです。コニカ拘りのコンパクトEEカメラです。レンズが優秀で、素晴らしい写りをします。

 裏蓋を開けて見ると、モルトプレーンが劣化してボロボロです。綿棒を使ってリグロインで拭きとります。遮光材として使われているこのウレタン製のモルトプレーンは、古くなると加水分解して、ベタベタ、ボロボロになります。ニコンもF2から使われていて、交換していない物はボロボロです。F4、F5あたりからは、使われていないと思います。当時は大変手軽な素材として、ほとんどのカメラで使われていました。その時には古くなると劣化するとは、判らなかったのでしょう。

 ファインダーを覗くと、∞が合っていません。電池を入れてシャッターを切ってみるとEE機能は働いているようですが、シャッターが粘って上手く切れません。分解して調整することにします。

 

 初めにレンズ前面周囲にはめ込まれているリングを、カニ目コンパスで外します。

 Cdsが付いているカバーが外れます。

 

 さらにレンズを抑えているリングも外していき、レンズを取り出します。

 シャッター羽が出て来ました。羽は2枚のシンプルなシャッターです。見た目はには油のしみなどはないので、この状態で洗浄します。
 まずはエレクトロニッククリーナーで。クリーナーを飛ばしたらベンジンを少量、羽にたらしてシャッターを何回か切ります。羽にしみ出してきたベンジンは、綿棒で拭き取ります。
 この作業を何回か繰り返して完全に拭き取ったら、暫く置いて中に残っているベンジンも蒸発させます。
 シャッターを切ってみます。大丈夫そうです。ベンジンが完全に乾かないうちは、シャッターを切っても上手く作動しません。

 続いて∞を調整しようとレンズを外してよく見ると、レンズがはめ込まれている樹脂製の枠が欠けてちぎれていました。

 このため∞がズレていたようです。一応かけらは取り除いたので、レンズはキレイな状態なので、このまま元に戻しても大丈夫かもしれません。

 レンズはヘリコイドから抜き取ってしまったので、もう一度はめ込んで∞を調整します。

 シャッターをバルブにして、レリーズのストッパーをかけて、シャッターを開けます。
 この状態で、曇りガラスを貼り付けたルーペをフィルム面の位置に押し付け、無限大を調整します。
 曇りガラスは、曇のある面を前面、つまりルーペ側とは反対にして貼り付けています。そうしないと、ピント面がフィルム面からガラスの厚さ分だけ、ずれてしまいます。フィルム面でのピントはとても微妙です。

 モルトプレーンの張替えをして、実写してみます。

 追伸:モルトプレーンの張替え

 裏に両面テープのついた、モルトプレーンをカッターで切って、裏蓋の周囲に貼り付けます。

 

 実写テストの結果は、また改めてご報告いたします。革のストラップも付けて。

久しぶりのカメラ修理でした。

 

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